樹木を食い荒らす被害をもたらす特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」と「ツヤハダゴマダラカミキリ」について、神戸市環境局自然環境課はこのほど、7~8月にかけて多数発生する成虫を見つけた場合は「駆除に協力してほしい」と市民に向けて呼び掛けた。
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クビアカツヤカミキリは中国などが原産地で、成虫の体長は約2~4センチ。黒色の体に赤色の胸部が特徴的で、桜や桃などバラ科樹木の樹皮の割れ目に産卵、ふ化した幼虫は樹木の内部を食べて成長する。食害が進むと樹木は枯死する。
神戸市では2022年、北区鈴蘭台で成虫と幼虫を、今年4月には西区岩岡町でも幼虫を確認。被害を受けた木に農薬を注入したり、木の中から虫が出てこないように幹にネットを巻くなどの対策を講じた。同課の岡田篤課長は「もしも見掛けたら、すぐにメールで連絡を」と話す。
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
一方、ツヤハダゴマダラカミキリは、日本固有のゴマダラカミキリとよく似た外見だが、原産地は中国と朝鮮半島。2002年に横浜市で確認された後、いったん駆除されたものの、2021年以降、兵庫県(神戸市)を含む10県で見つかっている。神戸市では「アキニレ」の木が特に被害に遭い、昨年から今年にかけて、六甲アイランド内の合計520本あまりが伐採、処分された。
現在のところは、六甲アイランド内に限定的に分布しているとみられ、同市は「六甲アイランド情報・交流センター」に、ツヤハダゴマダラカミキリ専用の「カミキリポスト」を設置。捕まえた場合、ペットボトルに入れてポストに投入するよう呼び掛けている。
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
駆除と並行して、撮影した生き物の種をAIが判定するアプリを使った市民参加型の生物調査も実施。無料のスマホアプリ「バイオーム」を利用、神戸市全域でカミキリをはじめとする生き物の分布について調べる。ポスト設置、調査ともに8月31日まで。
岡田課長は「どちらのカミキリも神戸市ではまだ侵入初期の段階。しっかり対策すれば根絶できると考えている。市民の皆さんに協力してほしい」と話している。クビアカツヤカミキリの目撃情報は、神戸市環境局自然環境課 biodiversity@offce.city.kobe.lg.jp まで。