女子サッカー・WEリーグのINAC神戸レオネッサは10日、新監督にスペイン人のジョルディ・フェロン・フォルネ氏(44)が就任することが決まったと発表した。
FCバルセロナの育成組織「ラ・マシア」出身で、シャビ・エルナンデス氏(43、現、FCバルセロナ監督)、カルレス・プジョル氏(45)らと同期のジョルディ・フェロン氏は、現役時代、FCバルセロナBやラージョ・バジェカーノ、レアル・サラゴサなどでプレー。現役引退後、2015年から主に女子サッカークラブの監督を歴任。RCDエスパニョール女子やS.D.エイバル女子などでタクトを振るってきた。
今年6月には女子サッカーの名門校、十文字高校で特別指導も行ったジョルディ・フェロン氏は、クラブを通じてコメントを発表。「こんにちは! ジョルディ・フェロンです。日本女子サッカーチームの中でも非常に重要なINAC神戸の監督に就任することは、光栄であり、大きな責任も感じています。最大限のリスペクトと謙虚な気持ちをもち、リーグ優勝に向けて練習に励みたいと思います。ありがとうございます」と意気込みを述べている。なお、グアム女子代表監督兼女子サッカー統括を務めた経験を持つ小倉咲子氏(兵庫県宝塚市出身)がトップチームコーチに就任する。
同日午後7時のクラブ公式リリースに先立ち、ラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)生放送で新指揮官を明かしたINAC神戸の安本卓史社長は、「監督の紹介を受けてから、昨シーズンの三菱重工浦和レッズレディース戦、日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦という課題の残ったホームゲームの映像を送って分析をしてもらった。そのとき(課題が)我々が感じていたこととまったく同じで、プラスアルファの発想もあった。そこで『この人だ!』となった」と選考理由を語った。また、「(ラ・マシアで)いろんな国の選手たちと子ども時代に育っているのは大きいし、スペイン人は説明が理論だっている。日本人選手との親和性もある」と、バルサイズムを持つジョルディ・フェロン氏に期待を寄せた。
安本社長によると、スペイン女子サッカー界では厳しい指導で知られるジョルディ・フェロン監督だが、「日本人はちゃんと話を聞いて、そのアイデアを体現しようとするので、日本で指導したい」という強い意向があり、このたびINAC神戸での指揮に至ったそう。「今回1年目ということで、監督の力量を拝見しながら、2年目、3年目は考えていきたい」(安本社長)。
7月17日に来日予定のジョルディ・フェロン新監督。公式戦初陣は、「2023-24 WEリーグカップ」8月27日(日)の大宮アルディージャVENTUS戦(NACK5スタジアム大宮、午後6時キックオフ予定)。
タイトル奪還を目指すINAC神戸。7日に元なでしこジャパン(日本女子代表)MF北川ひかる選手(26、アルビレックス新潟レディース→)の完全移籍加入を発表するなど、着々と新シーズンに向けての補強も進めている。
●INAC神戸レオネッサ 移籍情報
【OUT】
GK 武仲麗依(31) →引退
DF 小山史乃観(18) →セレッソ大阪ヤンマーレディース(期限付き移籍期間満了)
DF 筒井梨香(24) →セレッソ大阪ヤンマーレディース(期限付き移籍期間満了)
MF 阪口萌乃(31) →大宮アルディージャVENTUS(完全移籍)
MF 脇阪麗奈(24) →セレッソ大阪ヤンマーレディース(完全移籍)
MF 伊藤美紀(27) →三菱重工浦和レッズレディース(完全移籍)
FW 宮本華乃(23) →AC長野パルセイロ・レディース(完全移籍)
監督 朴康造(43) →未定
【IN】
GK 船田麻友(32) ちふれASエルフェン埼玉→(完全移籍)
DF 松原優菜(23) サンフレッチェ広島レジーナ→(完全移籍)
MF 増矢理花(27) サンフレッチェ広島レジーナ→(完全移籍)
MF 北川ひかる(26) アルビレックス新潟レディース→(完全移籍)
監督 ジョルディ・フェロン(44)
※2023年7月12日現在
(宮本選手の移籍先情報を追加しました)