演劇と観光が学べる四年制公立大学「芸術文化観光専門職大学(CAT)」(兵庫・豊岡市)の学長も務める、劇作家・演出家の平田オリザさん。自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、今春入学した学生が出演。同大学への志望理由や大学生活について語った。
今年で開校3年目を迎えた、芸術文化観光専門職大学(CAT)。新入生の秋山花緒(かお)さんは北海道函館市の出身で、高校時代は生徒会長・演劇部・ESS(English Speaking Society)部を掛け持つなど活動的に過ごした。同大学を志望したのは、「関西」「舞台」への憧れから。中学生のころから夢中だという宝塚歌劇を本場で観たい、という思いも後押しした。
秋山さんの“推し”は雪組トップスターの彩風咲奈だそうで、3番手のころから応援しているという。学生寮の部屋にはテレビがないものの「学内のタカラヅカファンの子たちで作った『タカラヅカ愛好会』というLINEグループでの情報交換が楽しみ」と明かし、「せっかく本場に来たからには月イチで観に行きたいです!」と興奮を隠せない様子で声を弾ませた。
同大学に入学したことにより、秋山さんの“推し活”は新たな展開を見せているという。ミュージカルサークルの新入生歓迎公演で、気になる先輩が出現したのだ。一緒に写真を撮ってもらうなど、充実の“推し活”ライフを送っているようだ。
大学の授業についても、「楽しくて居眠りするヒマなんてない」と語る秋山さん。コミュニケーション演習の授業には担当教諭が複数おり、その道のプロから直接指導を受けられることがなにより刺激的だという。ほかにも、観光系の授業も新鮮だったそうで、なかでも「『史上最悪の旅行を考える』というグループワークが興味深かった」と語った。
授業の課題に家庭教師のアルバイト、さらにサークル活動と多忙な日々を過ごしているため、高校時代と比べて睡眠時間は2時間ほど減っているがむしろ元気だという。「寒い地方から来たので雪かき(の技術)は完璧です。『もっと腰入れて!』と伝授しますよ(笑)」と、屈託のない笑顔で話す姿がとにかく頼もしい。
「『舞台に関わりたい』という気持ちだけで入学してしまった。大学は行動力にあふれている人が多く、将来の夢に関しても具体的なビジョンを持っている。私には具体性がないので、それを見つけていきたい」と、等身大の心情を吐露した秋山さん。
同大学の学長を務める平田さんは、「わが校は宝塚市と包括提携を結んでいますしね。大丈夫。接点をもって祈っていると、不思議と憧れの人に会えたりするんですよ。だんだん近づいていきます!」とエールを送った。
※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2023年7月13日放送回より
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『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp
『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。