桐竹勘十郎さんらが杉玉を受け取る 夏休み文楽公演の千客万来願い 「妹背山婦女庭訓」にちなみ | ラジトピ ラジオ関西トピックス

桐竹勘十郎さんらが杉玉を受け取る 夏休み文楽公演の千客万来願い 「妹背山婦女庭訓」にちなみ

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 国立文楽劇場(大阪市中央区)で今月下旬から開催される「夏休み文楽特別公演」を前に、演目にゆかりのある大神神社(奈良県桜井市)が酒造りのシンボルである杉玉を同劇場に授与。出演する人形遣いの桐竹勘十郎さん(人間国宝、70)と吉田玉助さん(57)がそれぞれの人形とともに受け取った。

大神神社の杉玉を受け取るお三輪(桐竹勘十郎さん、右から2人目)と求馬(吉田玉助さん、左端)=12日午後、国立文楽劇場
大神神社の杉玉を受け取るお三輪(桐竹勘十郎さん、右から2人目)と求馬(吉田玉助さん、左端)=12日午後、国立文楽劇場

 大神神社は三輪山をご神体とする古社で、酒の神様としても知られる。公演の第2部で上演される「妹背山婦女庭訓」四段目の「杉酒屋の段」は、同神社近くの「三輪の里」が舞台。勘十郎さんが遣うヒロインお三輪は酒屋の娘で、お三輪の実家兼店の軒先には、人形サイズの小ぶりな杉玉が吊り下げられている。

 劇場2階ロビーで行われた授与式で、大神神社の南博権禰宜は、「千客万来、そして良い上演になるよう願っています」と話し、勘十郎さんのお三輪と玉助さんの求馬(もとめ=お三輪の恋人)の人形に杉玉を授けた。杉玉は公演期間中、劇場ロビーに飾られるという。

国立文楽劇場
国立文楽劇場

 お三輪は15歳くらいの少女。勘十郎さんは「子どもでも大人でもない、その年頃の役は以前は苦手だった。だがある時に吹っ切れて、大好きな役の一つになった」と明かし、「前半はただただ純粋に求馬を思う気持ちで務め、その思いが爆発する終盤までエネルギーを貯めていきたい」と、役作りについて語った。

 2人の女性に慕われる求馬を遣う玉助さんは「かっこよくないとダメな役。大先輩(勘十郎さん)との共演は身に余るが、舞台では立役(男役)がリードしないといけない。男の色気を勘十郎兄さんにぶつけたい」と意気込んだ。

 なお今回、同作の「入鹿誅伐の段」が国立文楽劇場で初上演されるのも話題となっている。

桐竹勘十郎さん
桐竹勘十郎さん
吉田玉助さん
吉田玉助さん

 夏休み文楽特別公演は7月22日(土)~8月13日(日)[8月1日(火)休演]。第1部「親子劇場」(午前10時半開演)は、「かみなり太鼓」「西遊記」、第2部「名作劇場」(午後1時半開演)は「妹背山婦女庭訓」の四段目、第3部「サマーレイトショー」(午後6時半開演)は「夏祭浪花鑑」を上演する。問い合わせは国立劇場チケットセンター0570(07)9900。

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