兵庫県の斎藤元彦知事が13日、ラジオ関西の生番組に出演し、県内各地に出向いて地域住民と直接対話を重ねる「躍動カフェ」をスタートさせたと話した。1回目は、阪神南地域の住民ら20人と2時間半にわたり意見を交換し、教育やスポーツ選手のセカンドキャリアづくりなど、さまざまな課題が取り上げられた。この模様は、ラジオ関西の番組として放送される予定になっている。
「躍動カフェ」は、県民との対話を重視する斎藤知事が、幅広い意見を県政につなげたいと企画した。県民局・県民センター単位で開催することにしている。皮切りとなったのは阪神南地域で、尼崎、西宮、芦屋市の住民や学生らが参加して7月8日に西宮市の関西学院会館で開かれた。
阪神南地域は、住んでみたいランキングで上位に位置づけられるなど、ファミリー層の転入が続いていることから、「住み続けたい、移り住みたい、訪ね続けたい阪神南地域へ」をテーマにした。
参加者からは、教育や在宅ワークについての意見や県への要望が相次いだが、中でも不登校の話題が複数寄せられた。学習塾が不登校の子どもの居場所になっていると聞かされ、斎藤知事は「教育委員会で対応策を検討していますが、学校と同時に地域でどう受け止めるかも大切。学校生活を送ることができない子どもに勉強や進学についてどのように支援していけるのか、モデルケースを共有するなど、大きな視点で県として考えていきます」と述べた。
斎藤知事は「対話と現場主義」を主軸に県政を推進しており、「躍動カフェ」のほか、県内各地を訪れる「ワ―ケーション知事室」も実施している。6月には、姫路市の離島の家島、坊勢島を視察し、漁業を中心とした体験や都会にはない非日常的な街歩きなど、島ならではの魅力を実感した。7月末には淡路島を訪れ、地元の人と意見交換をする予定になっている。