もちろん、補強だけでなく、これまで出番に恵まれなかった既存の選手たちの奮起も、戦力アップには不可欠。注目株は、ガンバ大阪、ポルティモネンセSC(ポルトガル)を経て、今シーズンから加わったもう1人の即戦力、22歳のFW川崎修平選手(※「崎」=たつさき)。前半戦ではけがもあって出遅れたものの、カップ戦を中心に出番を増やし、7月12日の天皇杯3回戦・ジュビロ磐田戦では先発フル出場。ヴィッセル初得点を含む2ゴールの活躍で、チームの勝利に大きく貢献した。吉田孝行監督もその才能を評価する背番号21のアタッカーは、後半戦のキーマンとなる可能性を秘めている。
ほかにも、先日プロA契約を締結したばかりの大卒ルーキーMF泉柊椰選手、大卒2年目のGK坪井湧也選手、トップ昇格2年目のDF尾崎優成選手のアカデミー出身トリオのさらなる台頭にも期待がかかる。
吉田監督のもとで推し進める、前線からの強度の高い守備、ボール奪取からの素早い攻撃が、結果に表れている、今のヴィッセル。そのコンセプトを体現できるような選手たちをいかに加えて、今夏、チームの勢いを加速できるか。悲願のJ1リーグ制覇のためにも、ヴィッセルの現場とフロントが一体となった強化策が望まれるところだ。