サッカー・J1のヴィッセル神戸は15日、元U-21スペイン代表MFセルジ・サンペール選手(28)との契約を双方合意の上、解除することになったと発表した。
1995年1月20日生まれのサンペール選手は、スペインの名門、FCバルセロナ育ち、2014年にバルサのトップチームに昇格し、その後、グラナダCFやラス・パルマスでのプレーを経て、2019年からヴィッセルのユニフォームに袖を通した、パスワークに優れたピボーテ(攻撃的ボランチ)。バルサ仕込みのキープ力、パスセンスなどでチームの攻撃を活性化し、アンドレス・イニエスタ選手やダビド・ビジャ氏らとともに、港町のクラブを高みに導いた。また、同じ生年月日の日本代表FW古橋亨梧選手とのコンビでもJリーグを席巻。2021シーズンのクラブ史上最高順位(3位)入りにも大きく貢献した。
昨シーズンはAFCチャンピオンズリーグのプレーオフでひざを負傷するアクシデントに見舞われ、長期のリハビリを強いられたが、今年4月5日のJリーグYBCルヴァンカップ・グループステージのサンフレッチェ広島戦で386日ぶりに公式戦復帰を果たした。ただし、その後の出番はリーグカップ戦、天皇杯2回戦や、古巣・FCバルセロナとの親善試合に限られ、J1での出番はなし。昨年後半からチームが志向する攻守に強度の高さをいかすサッカーのなかで、サンペール選手が得意とする後方からのビルドアップ、パスワークをいかす機会に恵まれなかった。
J1では通算88試合に出場したサンペール選手。多くのヴィッセルサポーターから愛されていた背番号6は、クラブを通じてコメントを発表。「日曜日の試合を最後に、皆さんにお別れを言う時が来ました。この神戸に4年以上いましたが、ファンからの愛情を感じながら、とても幸せな時を過ごせたことに本当に感謝しています。神戸に来る前は、ここまで幸せな日々を送れるとは想像もできませんでした。これもすべてファン、チームメート、スタッフ、クラブ職員の皆さまのおかげです。この4年間、いい時もあれば苦しい時もありましたが、自分が持ち帰るのは、たくさんの美しい思い出ばかりです。この先、自分がどこに行っても、皆さんと心を一緒にしてチームを応援し続けます」と述べている。
サンペール選手は、7月16日(日)にノエビアスタジアム神戸で開催されるホームゲーム、J1第21節サガン鳥栖戦をもってチームを離れる。試合前の午後6時ごろに、ピッチ上でサポーターに挨拶を行う予定だという。