【西岡さん】 先に貯蓄する仕組みを作ってそのお金は「無い物」として生活する事。貯蓄の口座は生活用口座と絶対に分けましょう。今の時代なら証券口座がオススメです。
お金を貯めることは大切ですが、基本は使ってこそ意味があるもの。貯蓄したお金で叶う、家族共通の目標を持つことでモチベーション維持につながります。我が家だと「来年の旅行は○○に行こう」とか「希望する大学にお金の不安なく行けるように頑張ろう」とか。我慢ばかりせず、あまりお金のかからない小さなごほうびや楽しいレジャー(外食など)の分を、先に予算化しておくのもいいですね。
ある程度貯蓄があるご家庭は、効果的に増やすために投資を検討してみてください。新NISAは来年度から拡充され、利用しやすくなります。ただし、家計管理に自信がない人は、まずは家計管理から。手取りから「2割貯蓄」ができる家計が目安です。
――やはり、これからの時代は貯蓄だけではなく、「資産運用」も必要になるのでしょうか?
【西岡さん】 家計を改善するのに魔法のような方法はなく「1、収入を増やす」「2、支出を減らす」「3、お金に働いてもらう(資産運用)」の3つしか存在しません。
この中ですぐに手を付けられるものは「2、支出を減らす」です。(2)で出来ることを行ってみて、それでも難しければ(1)が可能か検討。「3、資産運用」は私たち庶民にとってしっかり家計管理を行った後に行う選択肢です。私は元証券会社出身のFPで「投資を教える人」と勘違いされることも多くあります。それも間違いではないのですが、資産形成はしっかりした「家計管理」の土台があってこそ成り立つものだと思っています。
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いかがでしたか? 物価高で家計が苦しい今だからこそ、家計を見直すにはいい機会なのかもしれません。「見える化」することで不要なコストを削って家計に余裕ができれば、その分、心にも余裕が生まれそうですね。
(取材・文=中口のり子)
取材協力:株式会社マネイク