「大切にしているのは“没入感”」 自然を描く、ペン画アーティストが兵庫県竹野に惹かれる理由 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「大切にしているのは“没入感”」 自然を描く、ペン画アーティストが兵庫県竹野に惹かれる理由

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 劇作家・演出家 平田オリザさんのラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、ペン画アーティストの村山大明(ともあき)さんが出演。ペン画を始めたきっかけや作品へのこだわり、滞在・制作を行った竹野浜(兵庫県豊岡市)の魅力を語った。

ペン画アーティストの村山大明さん

 京都府南丹市の山村で生まれ育った村山さんは、幼いころから動植物に興味を持ち、昆虫を観察しては細かい模様や毛並みをスケッチしていた。農業学校に進学したがイラストへの興味もぬぐいきれず、デザイン専門学校の門をたたき、卒業後は大阪で画家としての道を歩み始めた。

 モチーフは一貫して「自然」。「調和」「交わり」をテーマに、モノクロのペンによる細かな描き込みで動植物の群像に命を吹き込む。細かな作業が性に合っているといい、「観察しているといろいろな発見があるんです。生々しい、あの質感を描きたい」と語った。

 そんな村山さんは以前、日本海に面する兵庫県豊岡市竹野町にあるホテルで滞在・制作に取り組んだ経験がある。以前から村山さんの作品に魅せられていたという奥城崎シーサイドホテルの岩井社長から、同ホテルが50周年を迎える2021年のタイミングで「ホテルを拠点に、アートで竹野浜を盛り上げたい」とラブコールが寄せられたのだ。

 その後、現地に足を運び、地域住民の案内で兵庫県最北端にある猫崎半島やイノシシの解体を見て回るうちに、自然豊かな竹野浜に魅了されたという。

 最初に取りかかったのは、ホテルカフェの一角にあるスペース。1か月半もの期間をかけ、竹野に生息する海と陸の生き物が共存する神秘的な世界を作りあげた。天井までをも埋め尽くすその空間は、まるで絵の中に入り込んだかのようだ。

奥城崎シーサイドホテルの壁画

 ほかに、竹野の「食」の風物詩であるカニやイカの巨大壁画にも取り組んだ村山さん。制作期間について、このように振り返った。

「ひたすら(カニやイカの模様を表す)点を打つのは大変なのですが、あれこそが彼らの特長なので、気合いを入れて描きました」(村山さん)

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