シンガーソングライターの川嶋あいがパーソナリティーを務めるラジオ番組『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』(ラジオ関西、毎月第1・2週日曜午後5時〜)。7月9日の放送では、NPO法人『あなたのいばしょ』の理事長・大空幸星(こうき)さんと、人気長寿番組『走れ!歌謡曲』(文化放送)に携わった阿川清俊さんがゲスト出演。ラジオが持つ“孤独対策”としての側面などについて語った。
1人目のゲストは、過去数回にわたって番組にゲスト出演したことのある大空幸星さん。慶應義塾大学在学中にNPO法人『あなたのいばしょ』を設立。理事長として多くのボランティアを抱えながら、24時間365日インターネットでつながることのできる“最後の砦”ともいえる相談窓口を構築し、これまで実に60万人を超える人々の悩みに寄り添ってきた。さらに、“孤独対策”や“若者の社会参画”を実現すべく政府にも働きかけている。
2人目のゲストとして登場したのは、28年間にわたり文化放送の深夜番組『走れ!歌謡曲』のディレクターを務めた阿川清俊さん。現在はラジオ番組を中心に制作を行う株式会社PLUS音(プラスオン)の代表取締役を務めている。
番組収録日である5月31日、大空さんが約1年かけて政府に働きかけていた“孤独対策”が、第211回通常国会において「孤独・孤立対策推進法」として成立。今後、支援を求める人たちのためのプラットフォームがそれぞれの地域ごとに作られることが明記されており、より気軽に相談窓口を利用できるようになる。
同法律設立に尽力した大空さんは、「僕たちの相談窓口だけだと限界があるので、できれば身近な存在(地域の相談窓口)に頼っていただければと思う。今はその頼る先(窓口)がないので、そこを作っていくことができれば」と今後の展望についても語った。
大空さんの話をうけ、「ラジオも『孤独じゃないな』と思えるツールのひとつだと思うんです」と切り出したのは、パーソナリティーの川嶋。これには、長年ラジオ制作に携わってきた阿川さんも大きくうなずき、「ラジオはパーソナリティーとリスナーが1対1で向き合うことができ、双方の距離感が近いというのもテレビとの大きな違い」とコメント。
さらに、リスナー同士での交流・コミュニティが生まれることも特徴だと話し、「ペンネームやラジオネームを通して、会ったこともないリスナー同士が『この前こんなふうに話していましたけど、大丈夫ですか』と問いかけるような“つながり”が生まれていて、空間が一つになっているなと感じましたね」としみじみ語った。
番組終盤、現在悩みを抱えている人たちに向けて、2人はそれぞれこのようなメッセージを送った。
「えらそうなことは言えないけれど、『一人じゃない』ということを伝えたいですね。これまでの経験上、今は一人だと感じているかもしれないけど、絶対に誰かが見ていてくれているんじゃないかと思う」(阿川さん)
「ラジオやSNSのなかだったり、小さな依存先をたくさん作ってほしい。『依存』というとネガティブなイメージが強いですが、人間誰しもなにかに依存して生きているからこそ、『依存』を肯定的に捉えなおしてみる必要があると思う。一つがダメでも、また一つ。というような、ある種、損得勘定のような生き方をしてもいいということを伝えたい」(大空さん)
※ラジオ関西『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』2023年7月9日放送回より
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【番組公式ブログ】
60万人の悩める人達の相談を受けてきたNPO法人「あなたの居場所」理事長の大空幸星さん、深夜の伝説的ラジオ番組「走れ!歌謡曲」に携わってこられた阿川清俊さんをお迎えしました!深夜の時間帯に多くの人々に寄り添ってきたお二人。ブーム再来のラジオの力について熱く語って頂きました! #ラジオ関西 pic.twitter.com/PzfWa7vvcB
— 明日への扉〜いのちのラジオ+〜 (@asu_heno_tobira) July 5, 2023