劇作家・演出家 平田オリザさんのラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、チューニングアーティストのAKIRA∞IKEDA(あきら・いけだ)さんが出演。自身の活動や竹野(兵庫県豊岡市)の魅力について語った。
“チューニング”をテーマに音と関わることで、地球を奏でる音楽家として活動しているAKIRAさん。“周波数”に着目し、さまざまな手法で「場所」「人」とのチューニングを試みている。
今春リリースしたアルバム『サウンドレメディ』は、レオナルド・G・ホロウィッツが提唱し、古代イタリアで使用されていた「ソルフェジオ周波数(なかでも、528Hzはストレスなどで傷ついたDNAを修復する効果があるといわれている)」を用いたヒーリングミュージック集だ。
AKIRAさんはこれら特定の音階を巧みに操り、国内外問わず多岐にわたる活動を行っている。自身のワークショップでは、実際に528Hzで声を発する“トーニング”という手法を使うことで起こる体の変化を楽しんでもらうなどの取り組みを実施しているという。
近年のユニークな活動としては、加計呂麻島(かけろまじま:奄美大島の南端)で行われたクジラとのセッションが挙げられる。
「加計呂麻島には毎年ザトウクジラが回遊してくるのですが、クジラのグループにはそれぞれその年の『ヒットソング』みたいなものがあるんですよ(笑)。友人のツアーガイド(Earth Tribes)が録音に成功したので、音源をもとにコラボレーションしました。そのときは直接歌を聴くことはできなかったのですが、一緒に泳ぎましたよ」(AKIRAさん)
そんなAKIRAさんが2021年より参加したのが、兵庫県豊岡市竹野町にある奥城崎シーサイドホテルを拠点とした「奥城崎アートプロジェクト」。アートの力で地域を盛り上げよう、という取り組みだ。
地元の人々とともに竹野浜や猫崎半島の自然をめぐり、収録した音を使用して館内の環境音楽を制作。ライブも実施した。奥城崎シーサイドホテルでは、AKIRAさんが採取した音たちを使用した音楽を楽しむことができる。
AKIRAさんにとってチューニングは特別なことではない。たとえば「お祭り」は、「土地」と「人の意識」のチューニングを行なっている場ととらえているそうで、「録音することで、人や土地が持つエネルギーも収録される」と語った。