神戸・都賀川水難事故15年「語り継ぐ大切さ」濁流にのまれた男性、風化を懸念 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

神戸・都賀川水難事故15年「語り継ぐ大切さ」濁流にのまれた男性、風化を懸念

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 ゲリラ豪雨による増水で子どもを含む5人が死亡した都賀川(神戸市灘区)の水難事故から28日で15年となった。

都賀川

 2008年7月28日午後3時前、快晴だった神戸市の上空の様子が変わり、激しい雷雨に襲われた。水位は10分ほどで1.3メートルも上昇して濁流となり、子ども3人を含む5人が死亡した。

 事故で犠牲になった子どもと同じ学童保育所に子どもを預けていた神戸市の谷口美保子さんは、市民団体「7月28日を『子どもの命を守る日に』実行委員会」を事故の翌年(2009年)に立ち上げた。

 大阪府吹田市の建設会社経営、能勢文夫さん(65)も慰霊式を訪れた。能勢さんは都賀川に架かる橋の耐震補強工事に従事していた。上流から濁流が迫り、橋脚にしがみつくこと約30分。レスキュー隊に助けられ、一命を取り留めた。

 風化を懸念する能勢さんは「語り継ぐ重要性」をひしひしと感じている。「慣れないSNSで、不定期ながらこの事故のことを発信するようになってね」。

 15年の節目を迎え「あの年(事故が起きた2008年)に生まれた子どもたちが、ようやく15歳。でも、いろいろなことが理解できるようになり、この事故の恐ろしさを理解できるのではないだろうか」と話した。

手を合わせる能勢文夫さん

 警察庁によると、2022(令和4)年、全国で起きた水難事故で、中学生以下の死者、行方不明者は26人。このうち、川は半数を超える14人、海や用水路がそれぞれ4人などとなっている。

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