兵庫県有馬町の旅館「下大坊」の長男として生まれた画家・山下摩起(1890~1973)は、1935年以降、中央への公的な展覧会への出品を取りやめたため、「知る人ぞ知る」画家と言われる。1960年に四天王寺(大阪)の五重塔壁画を揮毫した。会場にはその原画ではないかとされる作品も。辻学芸員は「墨絵はいかに省略して表現するかということがとても重要ではないでしょうか。墨の濃淡で存在が浮き上がってくる。鳥を描いたものは鳴き声が聞こえてくるようなリアリティが感じられます」と話す。



中国では「墨に五彩あり」と言われる。まさにその言葉の通り、展示されている作品は墨の濃淡でいろいろな色が表現されている。「墨の使い方は三人三様。作品を見て自由にイメージを膨らませていただければ。書であれば美しい料紙にも注目していただき、書かれた歌や文字との関連も楽しんでください」(辻学芸員)。

◇特別展「ながれ・いろどる 墨の世界 安東聖空、深山龍洞、山下摩起 -神戸市立博物館のコレクションから-」
会期 2023年7月1日(土)~9月3日(日)
会場 神戸ゆかりの美術館(神戸市東灘区向洋町中2丁目9-1)
休館日 月曜日
【神戸ゆかりの美術館 公式HP】






