三田市民病院(兵庫県三田市)と済生会兵庫県病院(神戸市北区)の統合計画で、久元喜造・神戸市長が三田市の市政に介入する発言をしたとして9日、市民団体「三田市民病院をまもる会」(東浦徳次代表)などのメンバー4人が発言の撤回を求める申し入れ書を神戸市に提出した。
医師不足や施設の老朽化などから、両病院が統合して神戸市北区に新しい病院を建設する計画が進められてきたが、市民病院がなくなることによる三田市民の不安の声は根強く、7月23日の三田市長選挙では、統合計画の白紙撤回を掲げた田村克也氏が現職を破り、当選した。
久元市長は、7月28日に開かれた定例記者会見で、両病院の統合は必要と表明。「行政や地域医療関係者、地域外の専門家を交えた検討委員会で、再編が必要という方向性が出され、その後、関係者で議論が重ねられてきた経緯がある」と述べていた。
申し入れ書では、同会見での久元市長の発言が「三田市政への介入」であると指摘。「神戸市長が三田市の地域医療の基本政策に関わる内容に介入する発言は許されない」などとし、久元市長に発言の撤回と両市の市民への謝罪を要求した。
提出後に会見した東浦代表は「(三田市長選によって)結果が出ているのに、『統合再編の見直しはあり得ない』という神戸市長の発言は、私たちからするとあり得ない」と話した。