高校・大学・社会人で日本代表 慶応出身、プロ入りにこだわった野球エリートの歩みと挫折、第2の人生 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

高校・大学・社会人で日本代表 慶応出身、プロ入りにこだわった野球エリートの歩みと挫折、第2の人生

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 高校、大学、社会人野球で日本代表に選ばれた実績を持つ谷田成吾(やだ・せいご)さんが、ラジオ番組にゲスト出演。安定を捨ててメジャーリーグ(MLB)に挑戦したときの思いや、第2の人生を歩む現在の活動などを語った。

谷田成吾さん(写真:ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』)

 1993年5月25日生まれの谷田さんは、慶応義塾高校時代に高校通算76本塁打を記録。甲子園出場こそないものの、2011年の第9回アジアAAA野球選手権大会高校日本代表にも選ばれた左打ちの強打者。当時の代表メンバーには近藤健介選手(現、ソフトバンク)や高橋周平選手(現、中日)らがいる。

 慶応義塾大学時代は東京六大学野球リーグで通算15本塁打を放つなど活躍。「高橋由伸2世」とも評された。2014年の大学日本代表、2015年夏季ユニバーシアード野球日本代表にも名を連ね、吉田正尚選手(現、ボストン・レッドソックス)らと共闘。社会人ではJX-ENEOS(現、ENEOS)に進み、チームでは同期入団の塩見泰隆選手(現、ヤクルト)らとプレー。2016年社会人野球日本代表では源田壮亮選手(現、西武)らとともにジャパンのユニフォームに袖を通した。

 ただし、高校、大学、そして社会人で2年プレーしたあとも、プロからのドラフト指名はなし。JX-ENEOSという強豪チームで「長く社会人野球でやるという選択肢もあった」谷田さんだが、「野球でご飯を食べられるような人になりたいと思って過ごしてきた。昔からの夢」と、あくまでプロ入りを熱望。「プロ野球選手やトッププロに入るのは、25歳が限界というか、年齢があがればあがるほど確率が下がってくる。25歳までにやれることを全部やりたいと思って」と、行動を起こす。

 それはメジャー挑戦。MLB全球団にビデオを送ったところ、「8球団くらいが見たいと言ってくれた」。春季キャンプ地のフロリダやアリゾナに行ってトライアウトやキャンプに参加するために、JX-ENEOSを退部。しかし、挑戦の結果は「最終的にはそこでクビをきられたというか、もういいと言われた」。

 その後、「25歳がラストシーズンと決めていた」谷田さんは、最後にやり切れる場所として「一番日本でNPB選手を輩出している」独立リーグのチーム、徳島インディゴソックスに入団し、最後の1年にかけた。それでもNPB入りはかなわず、2018年シーズンをもって現役を引退した。

「社会に出て活躍する大先輩も多く見てきたので、野球でトッププロに行けないなら社会で活躍しようと考えていた」という谷田さん。現在は、グリー株式会社の子会社にあたるアウモ株式会社でFintech(フィンテック)担当部長として、国内最大級のおでかけ情報サービス「aumo(アウモ)」の運営を手掛けているが、その原点となったのは、現役最後にプレーしたチームであり、2019年末から2023年1月まで取締役兼球団代表を務めた徳島インディゴソックスでの経験が大きい。

「僕がいた徳島インディゴソックスも行政や市、県とともにいろんな地域の魅力を発信するというのをやっていたが、そこに一緒に取り組めるところはないかなと、模索していた部分もあり、『aumo』の情報は知っていた。日本は人口減少があり、地方ではそれが加速しているなか、徳島に来てくれる人、徳島に関わりのある人という関係人口を増やすことで、結果的に球団も応援してもらえたり、地域の魅力を発信できる。そういうところから取り組まないと地方は大変と感じていた。その取り組みをドンピシャでやっていたのが『aumo』だった。自分がスポーツチームをうまく成功させたいと思って取り組んで、厳しいと思った根源の課題を解決する手立てになるのではと思った。おもしろいなと思って、そのチャレンジをやってみたいとなった」

(写真:ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』)

 谷田さんがゲスト出演したラジオ番組『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』(ラジオ関西)パーソナリティーの田中大貴も、慶大時代は野球部で活躍しながら、プロに進まずフジテレビでアナウンサーを務め、30代後半でフリーになった経歴を持つ。「東京六大学は大学リーグのトップで、ENEOSは社会人野球のトップ。そこからメジャーの全球団にビデオを送って、将来どうなるか分からない中で優良企業を辞めて渡米して、最後には独立リーグで四国に行く人は慶大野球部ではなかなかいない」と、谷田さんの挑戦を称賛。そのうえで、「でも“初めて”を超えるバリューはないからその価値を大切にした方が良い」と、一回り以上、歳の離れた後輩にアドバイスを送っていた。

 番組の最後に谷田さんは「『aumo』はウェブメディアとしてまだまだ成長段階。今後もより良い情報を届けて日本のおでかけを加速させ、国内外問わず日本で旅行したいと思ってもらえるようなメディアを作りたい」と、今後の目標を語った。

※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2023年8月7日放送回より

(写真:ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』)
写真左から、田中大貴、谷田成吾さん、林歳彦氏(会社経営者・環境活動家) (写真:ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』)

aumo HP

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