兵庫県丹波市に、今年8月、満点の星空を堪能できるグランピング施設がオープンしました。その経営を行っているのは、兵庫県生まれの柔道の元代表選手です。新たな事業を手掛けた経緯や、施設に込めた思いについて、ラジオ番組で話を聞きました。
8月5日放送のラジオ番組『アスカツ!』(ラジオ関西)にゲスト出演したのは、柔道家・経営者の大野義啓さん(47)です。柔道の名門・天理大学出身で、2000年ごろからの約5年間、韓国代表として国際舞台も経験。現役引退後は、大阪市平野区で整骨院を起業したり、自身の経験をいかしてスポーツトレーナーとしてアスリートをサポート。そのノウハウを活用した「お年寄りのリハビリに特化した」介護のデイサービス事業を、現在の会社では展開されています。
そんな大野さんがいま、取り組んでいるのが、グランピング施設の経営です。これまでとまったく別のジャンルに挑んだのは、介護事業に従事するスタッフの待遇改善のためと、「コロナがきっかけだった」と、大野さんは言います。
経営者としての経験も豊富な大野さんですが、かつては「経営するうえで何年か前に(軸が)ブレブレになり、倒産しかけたことがあった」そう。「目的が明確かどうか、そこに尽きる。経営者になってからやってきたことがいかされていなかった」という反省から、「ウチの会社の理念『世の中にもっと多くの、うれしい!たのしい!ありがとう!の笑顔を増やす!』というのを中心にやっていく」と決めたと語ります。
模索をしながらも、コロナ禍のときに注目されたアウトドア、グランピングという新たな世界へ、中小企業の挑戦を応援する「事業再構築補助金」も活用しながらチャレンジすることになりました。
もともと丹波との縁もあり、丹波市青垣町大名草(おなざ)の地に、あしかけ3年の歳月を経て、グランピング施設を開業。この土地が神楽(しぐら)地域と呼ばれることもあって、大野さんいわく「地元へのリスペクトも込めて」、名称が「丹波星空グランピング-SHIGURA RESORT」になったとのことです。
同施設は、ドームテントが4棟と、シェルテントが2棟の、計6棟があり、「一番小さいところが最大4人。一番大きいところが50平米で、最大8人くらいで楽しめる」と、大野さん。また、「心と身体をリフレッシュして帰ってもらいたい」という思いから、グランピング施設では異例となる酸素ボックスも導入。これは大野さんのアスリート時代や、整骨院の経営、スポーツトレーナー経験から生まれたものだそうで、「サウナ、水風呂のあとに、さらに“ととのって”もらえれば」(大野さん)。
一方、普段から「毎日でも食べられる」というほどカレー好きの一面を持つ、大野さん。それは同施設のグルメメニューにもいかされています。地元の食材をいかしたバーベキューなどグランピングならではのメニューも用意されているなか、大阪発のカレー専門店「上等カレー」のカレーも提供しているそうです。
「全体の事業のサポートをしてくれている方が、上等カレーの社長を紹介してくれた。個人的にも上等カレーの甘辛な味が一番好き。上等カレーに行って『こんな感じで(やりたい)』と熱く語ったら、『ぜひやりましょう』と言ってくれた。めちゃくちゃうれしい」(大野さん)。