DC版で問題になるのは上映時間です。
DC版は劇場版よりも上映時間が長くなりがちです。『ニュー・シネマ・パラダイス』もDC版は約51分増え、約170分とかなりの長尺作品になっています。これは制作者の思い入れ、愛ゆえの結果と考えます。
しかし、長尺をお客が敬遠するのも事実でしょう。映画館の回転率も、時間が短い方が良くなります。制作者の気持ちか、興行側、あるいはお客の気持ちか……。難しい選択でしょう。
DC版の良い点、悪い点を簡単に紹介しました。昨今は「4K」「リマスター版」が出るなど、旧作をキレイな状態で観る機会も増えてきました。編集点の好き嫌いは分かれるところですが、劇場版とDC版を観比べて初めて作品の良さに気づくこともあります。DC版を見つけたら、違いを探してみるのも映画の楽しみ方の一つかもしれません。
(文=映画企画屋 宮本裕也)