神戸市東灘区に浮かぶ人工島・六甲アイランド。隣接するホテルの温泉を活用した足湯が街中にあり、平日の夕方になると学校帰りの小学生たちが集う場面も見受けられる。学生のほかにも子ども連れの家族、1人暮らしの高齢者など様々な人が集い、交流の場となっている。
幅広い世代に愛されるこの足湯はどのようなきっかけで生まれたのか、神戸市都市局の内陸・臨海計画課、担当係長・田村憲作さんに話を聞いた。
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足湯があるのは六甲ライナー・アイランドセンター駅北東側、ベイシェラトンホテルに隣接する場所。六甲アイランドでは今後の更なるまちの魅力向上や賑わい創出を目指すため、有識者や地域の人々も参加し、令和3年2月に「六甲アイランドまちの将来の姿」を取りまとめた。その中で「多様な人が集い・憩い賑わう機能の充実」を目標に掲げ、その取り組みの1つとしてベイシェラトンホテルの温泉を活用した足湯を整備することになった。
泉質はナトリウム塩化物温泉で、褐色のお湯となっている。深さが10~30センチと異なる4つの浴槽があり、熱いお湯とゆるめのお湯が交互に配置されているため、子どもたちも利用しやすくなっている。施設には屋根があるので日差しや雨を気にすることなく、最大15人まで同時に利用ができる。源泉かけ流しで毎日排水・清掃を行っているため、いつでも清潔な状態だ。
利用するのはやはり六甲アイランドの住民が中心だが、外部から六甲アイランドを訪れた人の利用も見受けられる。足湯をきっかけとして会話が弾み、子どもと高齢者など普段接点が少ない人々が交流する機会も生まれている。
他にも六甲アイランドでは活性化を目指し、平成30年にRICバーベキュー広場を開設。区画の貸し出しを行っており、持ち込みが前提の施設となっている。
さらに今後、六甲アイランドにはグランピングなどのレジャー施設が令和6年度にオープンする予定だという。場所は六甲アイランドの南側、六甲ライナー・マリンパーク駅から徒歩7分ほどのところ。この施設にはバーベキュー施設も整備される予定で、持ち込みが前提の施設であるRICバーベキュー広場とは違い、手ぶらで来れる想定だという。駅から歩いて行ける場所にグランピング施設ができるということで、楽しみにしているという声も多いそうだ。