アジア諸国やヨーロッパなど、海外では“当たり前”となっている地域も少なくない産後ケア施設。しかし、日本では施設数も限られているため、特別な存在という印象を受ける人もいるかもしれません。施設で受けられる「産後ケア」とはどのようなものかを、『産前産後ケアホテル ぶどうの木』広報の齋藤樹奈さんに聞きました。
出産することで、女性の体は大きなダメージを受けます。そういった身体のダメージ回復を促すケアをすることも産後ケアのひとつ。このようなケアは、主に病院が担っています。しかし、齋藤さんは、病院での産後ケアのみでは、身体や心をしっかり回復させるには不十分ではないかと話します。そこで注目を集めているのが「産後ケア施設」です。
産後ケア施設では、身体のダメージ回復に加え、精神的なサポートも期待できます。産後ケアの種類はさまざまで、助産師など母子ケアのプロに悩みや不安を相談できるのもそのひとつです。
実際に、『産前産後ケアホテル ぶどうの木』を利用したお母さんからも多様な悩みが寄せられているそう。なかでも、どのような質問が多いか助産師に聞きました。
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◆産後のお母さんが感じる悩みや不安とは……
1)「産後、なかなか眠れない……」疲れているのになぜ?
産後、よく眠ることができない原因として主に挙げられるのは、3時間おきの授乳。しかし、実際には、育児への不安が不眠に繋がることもあります。「赤ちゃんから目を離した隙に事故が起きていないかな?」「大丈夫かな?」といったお母さん自身の不安な気持ちにより、安心して眠ることができないという理由も大きいそう。
そのような際に有効なのが産後ケア施設です。誰かに赤ちゃんを見ていてもらえるという環境があれば、安心してぐっすりと眠ることができます。よく眠ることで心身ともにリフレッシュし、自宅に戻ってからも赤ちゃんとも前向きな気持ちで向き合い、育児を続けることができそうです。
2)「授乳が上手くできない……」どうすればいい?
「初めての出産・育児の場合、授乳は上手くいかないことが多い」とぶどうの木の助産師は話します。誰しも、はじめは上手くいかないもの。そんなとき、プロのアドバイスやケアを受けることで、母子ともにより満足する授乳タイムを過ごすことができるそう。