片岡愛之助が座頭務める『永楽館歌舞伎』 4年ぶり開催で「待ってました!」の声高らかに 兵庫・出石 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

片岡愛之助が座頭務める『永楽館歌舞伎』 4年ぶり開催で「待ってました!」の声高らかに 兵庫・出石

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 近畿最古の芝居小屋で、兵庫県の重要有形文化財にも指定されている「出石永楽館」(以下、永楽館)では、9月22日(金)〜26日(火)の5日間にわたって『第十三回 永楽館歌舞伎』が開催された。近年は新型コロナウイルスの感染拡大にともなって中止が続いていたが、満を持しての再開に会場は熱気に包まれた。

 1901(明治34)年に、歌舞伎や新派劇・寄席などが楽しめる芝居小屋として誕生した永楽館。テレビの普及や娯楽の多様化によって1964(昭和39)年に閉館を余儀なくされたが、その後44年の時を経た2008(平成20)年に復活を遂げた。

 同年に始まったのが、いまや多くの人々から愛される『永楽館歌舞伎』だ。座頭(ざがしら)を務める歌舞伎俳優の片岡愛之助さんが「ライフワーク」と語るほど、出石のまちになくてはならない存在となっている。

 役者のぼりがはためく会場には、町内のみならず、東京や島根など遠方からも多数の来場者が訪れ、初回から通っているという歌舞伎ファンも駆けつけた。

 4年ぶりの開催となった今回は、華やかなビジュアルと勇壮さが魅力の『菅原伝授手習鑑 車引』、ユーモラスな掛けあいが楽しい『釣女』の2本に加え、これまでの永楽館歌舞伎を振り返る映像も上映。まるでタイムスリップしたかのような会場に、客席からはたびたび笑いが起こった。終演後には、愛之助さんが再登場して会場を盛り上げるなど、役者と観客が再会の喜びを交わした。

 笑顔と喜びに満ちた会場を目にした永楽館の館長・赤浦毅さんは、「ようやくです。もう、感無量」と満面の笑みを見せた。さらに、「芝居小屋というのは“三密”がないと成り立たない。『永楽館に来た人はみんな笑顔になる』という思いでやっていますから、今日のお客様や演者さんの笑顔を見れたことがうれしい」と声を弾ませた。

 実行委員会を務める榮木健二さんは「待ち遠しくて遠距離恋愛のようだった」とコメント。この言葉を受け、赤浦さんも「愛之助さんが『愛の告白をされたようでウルっとした』とおっしゃってくれたように、まちの愛が育まれていくとうれしい」と満員の会場を見守った。

※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2023年10月5日放送回より

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『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp

『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。

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