エスニック料理が流行するなか、なにかと話題の的になる「パクチー」。葉や茎に独特の香りを持つ香草の一種です。アジアを中心に世界中のさまざまな料理に用いられますが、その強い香りや風味から、好き嫌いがはっきりと分かれる植物としても知られています。病みつきになるほどハマるという人がいる一方で、絶対に食べられないと嫌悪感を示す人も……。
そんなパクチー。好むか否かがはっきり分かれる点について、とある調査が行われました。パクチーの好き嫌いを出身地別に調べ、都道府県別のランキング形式で発表。その傾向が明らかにされたのです。
調査したのは、バイオテクノロジー事業を手掛ける株式会社ユーグレナです。遺伝子解析サービスで得たゲノムデータをもとに、出生地についてのアンケートからパクチーに関するデータを解析。結果を今年8月に発表しました。
ユーグレナによると、食品の好き嫌いには、味やにおいといった風味を“どのように感じるか”が影響すると考えられているのだとか。たとえば、パクチー好きの人は、その風味を「新鮮で香ばしい柑橘系」だと捉える一方、嫌いな人には、口にするにはなじまない「せっけん」のようと感じられることもあるといいます。
パクチーの独特な芳香は、”脂肪臭”とも呼ばれる成分・脂肪族アルデヒドに由来するもので、「脂っこく、鼻に残るようなにおい」と表現されることも。ただし、アルデヒドは香料として香水に使用されることもあり、他の香料とうまく組み合わせると魅惑的な香りに仕上げることも可能とのこと。せっけんにも用いられることから、アルデヒドを含むパクチーのにおいを「せっけんのよう」と感じる人がいると考えられるようです。
今回の調査では、パクチーの好き嫌いを遺伝子タイプと絡めて判定しました。パクチーを「せっけんのような味」で苦手と感じる遺伝子タイプの人の相対的な割合を都道府県ごとに調査。その結果、3位は三重県(57.79%)、2位に熊本県(57.95%)、1位は福井県(58.78%)でした。兵庫県は10位(56.32%)でした。
ただ、日本人全体でも、パクチーを食べた時に「せっけんのような味」と感じる人の割合は52.9%に上ったとのこと。日本人の半数以上は、遺伝的にパクチーが苦手だと推測できる結果になりました。
ほぼ半数ずつの割合で好き嫌いが分かれるとされたパクチー。食べず嫌いなら、一度口にしてみるとその風味に魅了される人もいるかも!?
※ラジオ関西『Clip火曜日』より
(取材・文=村川千晶)