本屋でトイレに行きたくなる「青木まりこ現象」とは? 原因は”匂い”にあった | ラジトピ ラジオ関西トピックス

本屋でトイレに行きたくなる「青木まりこ現象」とは? 原因は”匂い”にあった

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 読書の秋、「本屋にいるとなぜかトイレに行きたくなる……」と感じたことはありませんか? 書店で、なぜかトイレに行きたくなるという人は少なくないそうです。この現象について、近畿大学名誉教授・野村正人さんにその原因を聞きました。

青木まりこ現象を引き起こす原因は?

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 そもそもこの現象は、青木まりこさん(※ペンネーム)が1985年に発行された雑誌『本の雑誌 40号』(本の雑誌社)にて“本屋へ行くと便意を催す”という趣旨の内容を投稿したことから「青木まりこ現象」と呼ばれるようになりました。

 野村さんがこの現象について研究するきっかけとなったのは、ある会社と衛生害虫の駆除について共同研究をしているとき。研究の中で、植物からの揮発性成分には特有のにおいがあり、害虫の忌避にも効果があるのではないかという話が出た際、雑談の中で「本屋で便意を催す現象を知っていますか?」と聞かれた野村さんは初めて青木まりこ現象について知り、そこから興味を持って研究を始めたとのこと。

 まず、野村さんは本当に本屋に行くと便意を催すのかどうかを調べるため、図書館で20~60代の各世代の男女20名にアンケートを取りました。すると、およそ7割の人が「経験がある」と回答。アンケートの結果から、より興味を持った野村さんは真剣に研究をすることを決めたそうです。野村さんは、図書館には机や本棚が多く、本や壁にも接着剤が使われていることから、さまざまなにおいが充満していることが関係していると考えました。そこで、実際に図書館の空気を分析するために、5~6月にかけて毎日朝5時から空気中の成分を吸着させる装置を使い、1か月後、吸着したものを有機溶媒で抽出して成分を分析したそうです。

 調査の結果、新建材や本の装丁に使われている化学物質が原因と考えられることが判明。抽出した成分をマウスに投与したところ排便の回数や量が増加していたため、生理学的に匂いによって本屋さんでトイレに行きたくなる傾向があることが分かったそうです。ただ、匂いは独特なものではなく気付かない程度のため、知らないうちに作用しているとのこと。

本の装丁に使われる化学物質が原因と考えられる

 ただ、野村さんによると匂いは原因の一つであり、本屋に行くことで気持ちがリラックスすることも要因と考えられるとのことでした。また、本屋の匂いの他にも、ローズマリーやユーカリにも利尿作用があると考えられているそうです。

 自分に合った匂いを見つけることでリラックス効果を得られることもあるそう。普段から「匂い」をうまく活用してみてもいいかもしれません。

(取材・文=迫田ヒロミ)

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