女子サッカー・なでしこジャパン(日本女子代表)OGの川上直子氏が9日放送のラジオ番組に出演し、中国・杭州で行われた第19回アジア競技大会(アジア大会)の女子サッカーで金メダルを獲得した日本女子代表選手の成長を称えるとともに、少し違う角度から選手の特長に注目していました。
今大会の日本女子代表では、国内プロリーグ「WEリーグ」で活躍中の選手たちの奮闘が光りました。その1人が、決勝戦で先制点を決め、チームの勝利、金メダル獲得に大きく貢献したMF中嶋淑乃選手(サンフレッチェ広島レジーナ)です。
中嶋選手のWEリーグでの活躍を見ていた川上氏は、「彼女はオルカ鴨川(なでしこリーグ1部)から広島に来て、1シーズン目からずば抜けたスピードを見せていたが、自分のスピードを消されたとき、プレーの迷いが観られた。でも、そういうのがちょっとずつ改善されて、迷いじゃなくて、自分のいいところで勝負しようという姿勢がすごくあらわれてきた。前にスペースがあれば、『あっ、私の得意なところね』と、自信を持ってゴールに向かう姿勢が、すごく成長を感じる」と、最近のプレーぶりを評価。
決勝戦での得点は、まさに中嶋選手の持ち味がいきた形でした。FW山本柚月選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)の右からの左足でのクロスフィードに反応し、一瞬のスピードで相手DFの背後に抜け出すと、相手GKをよく見てボールをゴールに流し込みました。「すごく冷静だった。足首がふにゃっとなりながら決めていた」(川上氏)。
ちなみに、川上氏いわく、中嶋選手の特長は“美白”。「めっちゃ白い! もともと色白だけど、いつも日焼け対策バッチリで、(普段は)サッカーをやっている女の子には見えない。でも、めっちゃスピードがあるし上手。そういう選手もいるよというので、(これまで女子サッカーを)見たことがない人はぜひ見て(注目して)ほしい」と、WEリーガーの意外な一面にスポットライトを当てつつ、ファン獲得への後押しをしていました。
また、川上氏は、決勝で勝負を決める3点目を奪った18歳のMF谷川萌々子選手(JFAアカデミー福島)について「シュートが上手かった」とプレーを称えつつも、「それよりも『足、長っ!』」と、そのスタイルに驚いたようです。
「今までリプレーとかでみる日本の選手の膝下と、ちょっと違うんですよ。海外の選手のプレーをリプレーで見るときの膝下みたいな。フェイントをかけたときとか、膝から下が長いです」と、独特の視点で谷川選手の特長をとらえた川上氏は、「どうやって(足を)伸ばしているんでしょうね……最近の若い子は足が長い!」とZ世代の成長ぶりに舌を巻いていました。
ちなみに、川上氏は「アジア大会で非常に活躍が素晴らしかった選手」として、谷川選手とともに17歳のセンターバック・DF古賀塔子選手を挙げ、2人について「(WEリーグなど)トップ(レベル)でも使えるのではないかと思う」「どこかの(WEリーグの)チームで強化指定に入るのではという勝手な予想をしている」と、そのポテンシャルの高さを評していました。
10日に発表された「女子オリンピック サッカートーナメント パリ 2024 アジア2次予選」に臨むなでしこジャパンメンバーには入らなかったものの、女子W杯のときと同じくサポートメンバーに選ばれた、谷川選手と古賀選手。なでしこの次代を担うことが期待される両選手の今後にも注目です。
※ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』2023年10月9日放送回より