試合後には、佐々木選手いわく「ほんとにうれしかった! 待っとったもんなぁ!」という今年から制作された個人チャントがホームのノエビアスタジアム神戸に響き渡り、佐々木選手もゴール裏のホームサポーターと喜びを分かち合いました。
ただ、「あの試合だけは、あのチャントを作ってくれた意味を成せたかなと思いますが、『まだまだもっともっとやれ』という意味も込められていると思うので。あと5試合で、結果を残します!」と、どん欲な姿勢は変わりません。
そんな佐々木選手ですが、第29節、2位横浜F・マリノス戦でも先発し、このときは中盤の一角でプレーすると、タフな首位攻防直接対決でも攻守に粘り強く奮闘。途中で足をつるほど走り回り、78分での交代を余儀なくされましたが、チームの2-0での勝利に貢献しました。それらの活躍もあり、クラブの9月度「PLAYER OF THE MONTH」にも選ばれました。
インタビューは3週間の中断期間中に収録されましたが、その間に行われる日本代表戦メンバーに、同僚で仲のいいGK前川黛也選手が選ばれました(※代表期間中の10/12に、けがのため離脱が発表される)。「黛也くんは、ずっと僕は選ばれると思っていたので。一番近い存在でもあるので、負けないようにと思わされましたし、もっともっと日々の練習からやらないといけないなと、思いましたね」と、佐々木選手にとっても発奮材料になっているよう。
周囲からは佐々木選手の日本代表入りも近いのではという声もあがってきていますが、「いやいやいや、ないでしょ。普通にないと思っていました。この活躍だけで呼ばれているようなら、自分としても、なんか、恥ずかしいというのではないですが……。もっともっとやって(活躍して)呼ばれたいというのがあるので」と、ここでも謙虚。
チームには大迫選手、武藤選手、MF山口蛍選手、DF酒井高徳選手といった、代表で実績を残してきた偉大な先輩たちがいて、彼らの活躍がいまは目立つだけに、そこに追い付き、追い越すようなパフォーマンスを、佐々木選手自身、見せたい思いが強くあるように感じられました。
残り5試合、チームは自力でタイトルが獲得できるところまでやってきました。現在の心境について、「ワクワクしますね! 僕自身も、コンスタントに試合に出ていることが(これまでは)なかったので、そもそも、シンプルに、優勝争いという意味だけじゃなく、ワクワクしています!」という佐々木選手。自らが掲げる個人目標の7得点も手の届くところにきているだけに、ここからのさらなる活躍に期待がかかります。
今夏にはチームの主軸の1人、MF齊藤未月選手が、試合中に大けがを負い、長期離脱を強いられることになりました。同い年で仲のいいチームメイトの思いも受け継ぎ、今は戦っています。「ミツは同い年なので、そういう(彼のためにという)思いは、みんな一緒だと思いますが、あの(齊藤選手が負傷した)試合をきっかけに、個人的には『やってやる』と思いましたね。(普段)ジョギングとかでもいろいろ話すことも多かったですし、ミツのために、あと5試合、しっかりと、持てる力をすべて出してやりたいと思います」。
クラブ育成組織出身として、DF山川哲史選手とともに、ピッチでチームのために攻守に活躍を続ける佐々木選手。サポーターに向けては、「ここまですごく熱い応援をしてくださっているのですが、あと5試合はもっともっと熱い試合になると思うので、相手チームに負けずに声を出してもらって、それが僕たちの力になるので、あと5試合、応援よろしくお願いします! ありがとうございましたぁ!!」とメッセージを送っていました。チーム屈指のムードメーカーがピッチで躍動を続けた先に、栄冠が待っているはず。これからもクリムゾンレッドの22番への期待は高まる一方です。(ラジオ関西『GOGO!ヴィッセル神戸』)