大阪・関西万博では、世界に羽ばたくクリエイターとともに、吉本興業のテーマでもある「人々を笑顔にする」を体現する空間を創出する。
全体を統括する総合プロデューサーは、「チコちゃんに叱られる!(NHK総合)」や「人生最高レストラン(TBS)」を手掛けるテレビプロデューサー・小松純也氏が担当する。小松氏は「吉本興業には、それぞれがクリエイターである芸人・タレントが数多く所属している。お笑いにとどまらず、アートや文学、音楽など多岐にわたる。そうしたものを結集し、『小さな微笑みから大笑いまで、笑顔から生まれる幸せ』を体感できるパビリオンにしたい」と抱負を語った。
またアートディレクターに、プロジェクションマッピングアーティストの尾崎勝氏を起用した。尾崎氏は、日本でまだプロジェクションマッピングが知られていなかった2007年、日本で初めてフォース・パースペクティブを取り入れた大型3Dプロジェクションマッピングを手がけた。「球体は、自然や人工のさまざまな要素に変化する。見えない動きを聞いたり、聞こえない音を見たりする、空想と現実の間にあるパラドックス(逆説)を感じてほしい。そして、それぞれが世界の一部であることを実感できる体験空間を作る」と意気込む。
このほか、クリエイティブディレクターにクラパット・ヤントラサー氏、キュレーションに東京藝術大学名誉教授の秋元雄史氏を迎えた。
今回、初めてパビリオンの外観を発表した吉本興業HD。大きな笑顔の球体のインパクトは大きく、意外性ものぞかせる。ラジオ関西の取材に対し、関係者は「”お笑い”いうても、エンタツ・アチャコさん(※)の写真を前面に出すわけやないんです。子どもたちにも笑いを届けたいから」と笑って答えた。
そして、「コンテンツはどうするのか」との問いに、「その中身は今後、積極的に『ネタバレ』を…今、まさに仕込み中ですねん」と含みを持たせた。
泉副社長は「来場者が参加できるイベントやショーを連日開催して、所属芸人らも登場する。スケジュール調整はこれから。世界の子どもたちの笑顔が広がるパビリオンにしたい」と話した。
※横山エンタツ・花菱アチャコ~大正・昭和期の漫才師。昭和初期から「しゃべくり漫才」を極めた”近代漫才の元祖”とされる戦前、人気スポーツだった「早慶戦」をネタにした漫才は有名。