部分月食に木星 秋と冬、そして夏の星座に流星群も 2023年10月から11月の星空散歩 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

部分月食に木星 秋と冬、そして夏の星座に流星群も 2023年10月から11月の星空散歩

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 10月。秋の星座に加え、冬の星座も顔を出すようになってきた。一方でまだ夏の星座との競演を楽しめる。

画像提供:明石市立天文科学館
画像提供:明石市立天文科学館

 29日の明け方には部分月食を全国で見ることができる。月が西に沈む前の月食なので、満月は西の低空で輝いている。

 神戸では月が欠け始めるのは午前4時34分。食の最大は5時14分だが、今回の月食は月の直径の12.8%までしか地球の影に入り込まないので、あまり大きくは欠けない。月食が終わるのは5時53分で、そのあと6時24分に、月は西に沈む。このころには空は明るくなっている。場所によっては、部分食が終わって12分後に月が沈む所もある。また小笠原諸島などでは、月が欠けたまま沈む「月入帯食(げつにゅうたいしょく)」となる。

 月のすぐ上には明るい木星も見える。28日から29日にかけて月と木星は接近する。その輝きの競演も印象的なものになりそう。

 27日の「満月前」の月は、旧暦9月13日の月で「後の月」と言われる。2023年9月27日には各地で「中秋の名月」が見られた。今年はもう一度「名月」を楽しめるかも。

 木星は、10月中は午後8時ごろ、東の空で明るく輝いている。真夜中を過ぎるまで最も明るい星として見える。11月3日に「衝(しょう)」を迎え、見ごろを迎える。「衝」とは、太陽系の天体が地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間のこと。日の入り後に東の空から昇り真夜中に南中し、日の出の頃に西の空に沈むため、一晩中観察できる。望遠鏡や双眼鏡を使えば、木星から少し離れた所に4つの点が並んで見えるかもしれない。これらは木星の4つの大きな衛星で、イタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが発見したことから「ガリレオ衛星」と呼ばれる。また、条件が整い望遠鏡の倍率を上げて見ると、木星の表面に縞模様が見える。木星の観測会を開催する天文施設もあるのでそちらを利用するのもいい。

 11月は14日に天王星も衝となる。木星の近くに見えるが、明るさは6等級で、条件が良い空でも肉眼で見える限界の明るさ。双眼鏡や望遠鏡と使うと見つけやすくなる。

 11月には、おうし座流星群、しし座流星群が極大となる。おうし座流星群の北群は11月13日に極大となると予想され、明るい火球のような流星が飛ぶことが予想される。11月中は期待できそう。しし座流星群は18日の夜半ごろが月明かりもなく最良の条件となる。

 明石市立天文科学館の井上毅館長は、「これからのシーズンは透明度上がり、星が見やすくなる。ただ、冷え込むので真冬の服装で楽しんでほしい。そして100周年を迎えたプラネタリウムで予習もしてください」と話す。

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