兵庫県高校駅伝競走大会(男子第78回、女子第40回)は5日、丹波篠山市で行われ、男子は須磨学園が3年ぶり6回目の優勝を果たしました。
大会には、7つの地区大会を勝ち上がった40校が参加。大正ロマン館前をスタート、篠山鳳鳴高校グラウンドをゴールとする7区間、42.195 kmで争われました。
早朝は寒暖差により濃い霧が発生していた丹波篠山。スタート直前には青空が広がるとともに、厳しい日差しが差し込むと、開始時点では19℃、男子がゴールする12時ごろには24℃まで気温が上昇。手元の温度計では一時28℃をさすなど、この時期には異例の暑さのなかでレースが展開されました。
10時10分に出発した男子は、1区でいきなり須磨学園のエース・折田壮太選手(3年)が「自分が1区で流れを作りたかった」という思いとともに飛び出し、10kmを29分17秒のタイムで独走。2位に1分以上の差をつけます。
その後も、4区で福冨翔選手(3年)が区間新記録の快走を見せれば、5区でも1年生の藤岡孝太郎選手の力走でリードを広げるなど、7区間中6区間で区間賞を獲得した須磨学園は、2位報徳学園に2分18秒の差をつけ、2時間4分29秒のタイムでゴール。男女アベック優勝で、都大路への切符をつかみました。
2位には報徳学園、3位には西脇工が入りました。その3校のほか、4位・神港学園、5位・神戸商、6位・長田、7位・市立西宮、8位・龍野、9位・東播磨と、淡路地区トップの洲本(24位)の計10校が、11月26日に淡路島で行われる近畿大会に出場することが決まりました。
レース後、優勝した須磨学園の山口哲監督は、ラジオ関西の中継で、次のように述べました。
――今回の優勝について。
【山口監督】 いやぁ……すごく暑いですよね……。この暑さのなかで、この子たちが、この暑さに耐えて頑張ったかと思うと、ちょっと言葉が思いつかないというか。(ゴール直後)いま、生徒たちが戻ってきたかなと思ったら、誰もいなかったのですが……。もういまは、この3年間、ようがんばった彼らをおめでとうと言ってあげたいです。
――1区の折田選手が目一杯の走りを見せていたが。
【山口監督】 その頃はあまり私も記憶にないので、吐きそうな気分でいました。
――コンディションをうまく持ってくる大変さもあったのでは?
【山口監督】 もう、大変でした(苦笑)。
――今日の勝因について。
【山口監督】 いまはもう考えられませんが……。ただ、今回、須磨学園には、各1キロ地点ごとに、もちろん部員の数もあって不在の区間や配置もありますが、コーチ・監督(役)である生徒たちが本当に必死で、特に後半区間になってくればくるほど「無理するな!」「あげるな!」と、無事にゴールできるよう選手を支えていました。彼らが、走った代表の7人を走らせてくれたと思います。ですから、今回無事にゴールできたのは、まぎれもなく、走った7名ももちろん頑張りましたが、それ以外の部員たちと、本日体調不良なく迎えることができた、それを支えてくださった保護者の方々のおかげだと思います。
――みんなの力なくして、優勝は勝ち取れなかったと。
【山口監督】 はい、もちろんです!
――このあと、選手の皆さんにはどんな言葉をかけるのか。
【山口監督】 昨年、一昨年と、いま在籍している生徒たちは、ここ(県大会)で、(近畿大会まで)あと3週間というリミットで、駅伝をしてきました。今回、(全国大会まで)6週間、私たちは彼らとまた駅伝をできる幸せがいま、こみ上げています。この6週間を生徒たちと満喫したいと思います。