大阪・関西万博で、パビリオンの出展を予定していたメキシコなど複数の国が撤退の意向を示していることが、関係者への取材でわかった。海外からの参加について撤退の意向を伝えられたのは初めて。メキシコは来年(2024年)6月の大統領選挙を踏まえ、その結果により予算の確保が難航する可能性があると伝えたという。
153か国・地域、8国際機関が参加を表明している大阪・関西万博(2023年3月時点)。万博の“華”と呼ばれるパビリオンの参加パターンとして、▼敷地を渡して参加国・地域が自前でパビリオンを建設する独自性が高い「タイプA」、▼日本側が建設したパビリオンを参加国に引き渡し、独自にデザインする「タイプB」、▼日本側が建設した共同パビリオンの一区画を借り受ける「タイプC」の3つのカテゴリーがある。メキシコは「タイプA」での出展を予定していた。
「タイプA」には60か国が予定していたが、建築資材や人件費の急激な高騰などが影響し、準備の遅れが指摘されている。これまでに建設業者と契約したのは24か国にとどまっている(11月10日現在)。
運営する日本国際博覧会協会は、こうした事情を踏まえ、組み立て式のプレハブ形式の建物を協会側が建設して参加国に引き渡し、参加国が内装や外装のデザインを決める「タイプX」、または「タイプC」を提案しており、すでに「タイプA」のアンゴラ、ブラジルの2か国がタイプXへ移行した(11月10日現在)。また、スロベニアなど2か国は日本側が建設する共同パビリオン「タイプC」に移行した。