神戸・新長田に点在しているさまざまな場所を舞台に、現代アートの展示やパフォーマンスを行う「下町芸術祭2023 COMMONS HACK」が、11月19日(日)まで開催中です。
市場や商店街が多いほか近くに漁港もある新長田には、独自の下町文化が存在します。最近では、そんな“味のある”新長田の町に多くの若手クリエイターやアーティストが移住しており、空き家や空き店舗の利活用も進んでいるといいます。また、新長田には多くの外国人が住んでいることから「多文化共生」を目指す取り組みも進んでいるのだそう。
阪神・淡路大震災の発生から20年が経った2015年より、2年に1度開催されている「下町芸術祭」。神戸市営地下鉄海岸線の駒ヶ林駅から徒歩でまわることのできる新長田の町で開催されており、24組ものアーティストによって“クリエイティブな町”としての魅力を高めています。
今年のテーマは、「COMMONS HACK」。「HACK」という単語には「うまくやりぬく」「耕す」「切り開く」などの意味が込められているそうで、町や地域の共有財産をうまく「HACK」する作品が集まっています。
5回目の開催となる今年は同イベントにとって初となる“公募形式”での実施となり、国内外で活躍する表現者たちがさまざまな表現を行っています。
中村岳さん『遡及空間』、ワタナベモモコさん『house』などの作品が展示されているほか、パフォーマンスを行うアートも多数。インドネシア出身のEla Mutiaraさんはダンスパフォーマンスの映像を流すなど、多様な作品がさまざまな場所と共演しています。
「異なるものをつないでいく技術がアートで、日常ではなかなかつなぎあわされることのないものが芸術を通して共生していくと思っています」と話すのは、新長田アートコモンズ実行委員会に所属する横堀ふみさん。「芸術祭は、それ(=異なるものたちの共生)を可視化できるもの。さまざまなつなぎかたがあるということを知ってほしいです」と、芸術祭が掲げるテーマのひとつである「多文化共生」について言及しました。
表現ジャンルのみならず、業種やコミュニティの垣根を越えて地域が協働し開催する「下町芸術祭2023 COMMONS HACK」。実行委員会・委員長を務める小國陽佑さんも「この機会に素晴らしいアート作品に出会ってほしいし、新しいお店を開拓したり道端の猫ちゃんに出会ったり、そういう町のおもしろさや、ふとした魅力を探しに訪れてほしい」と呼びかけました。
※ラジオ関西『サンデー神戸』2023年11月5日放送回より
【下町芸術祭2023】
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