一般家庭で使用済みの調理用油「廃食油」は、洗浄時に使う洗剤とともに水で流されていることが多いといい、環境問題につながるとして対策が急がれている。この廃食油の問題について、対策や啓発に取り組む浜田化学株式会社(兵庫県尼崎市)に話を聞いた。
担当の東條佑さんによると、天ぷらや炒めものなどの後の廃食油は、新聞紙やキッチンペーパーに吸わせて燃えるゴミとして捨てる方法もあるものの、実際は、台所の排水溝に流されているケースも多いという。排水溝へ流すと、悪臭や詰まりの原因となるだけではなく、下水道内に付着して固まった廃食用油と下水道内の汚物などが混ざって白色の固形物となり、その状態で大量の雨水と一緒に海や川に流れ出してしまうそう。これが、廃食油が環境問題につながるとされるゆえんだ。
対策の一つとしてとして「リサイクル」があげられる。リサイクルにより廃棄物ではなく、飼料や肥料、バイオディーゼル燃料(BDF)、石鹸やハンドソープの原料、つまり“資源”になる。しかし、このことは一般的にはまだまだ知られているとは言えず、東條さんは「意識改革の必要があると」語る。
そこでこのたび、啓発活動の一環として、あまがさき環境オープンカレッジ(尼崎市南塚口町、塚口さんさんタウン内)で開催されている「オープンカレッジ広場」で、廃食油の回収が行われることとなった。
回収できるのは、サラダ油・コーン油などの「植物油」のみで、灯油などの鉱物油は対象外。▼洗剤や水などは混ざらないようにし、▼できれば濾したうえ、▼ペットボトルや空容器に入れて持参のこと。なお、23日(木・祝)については、回収活動の参加者に、廃食油と交換でリサイクル廃食油で作ったハンドソープが用意される。
通常は主に飲食店・企業を対象として、調理後の廃食油の回収・リサイクルを行なっている同社。一般家庭からの回収に至った経緯について、東條さんはこのように語った。
「一般家庭では、調理後に(フライパンなどに付いた)油が残れば水に流してしまうことがほとんど。リサイクルできるものでもあるので『もったいない』と、回収できる場を作っていきたいと考えました。とはいえ、不要になった油を分別する作業はまだ浸透していないこともあり、その意識を持ってもらうためにはどうすればいいか……。課題も山積しています」(東條さん)
オープンカレッジ広場の時間など詳しくは、「あまがさき環境オープンカレッジ」公式ホームページ内「主催活動案内」で確認できる。
◆「あまがさき環境オープンカレッジ」主催活動案内
◆オープンカレッジ広場での廃食油回収について
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