産後、赤ちゃんのお世話に追われて自分自身の食事がおろそかになってしまうことも。しかし、産後の食事は、質の良い母乳をつくり、元気に育児をするためにも重要です。そこで、産後の食事のポイントを『産前産後ケアホテル ぶどうの木』広報の齋藤樹奈さんに聞きました。
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◆大切なのは「バランスの良い食事」
産後の食事の基本は「バランスの良い食事」だそう。主食、主菜、副菜、汁物がそろっている、いわゆる定食のイメージです。
厚生労働省によると、成人女性のエネルギー必要量は18~29歳で1700~2300キロカロリー、30~49歳で1750~2350キロカロリー。母乳育児をしている場合、通常の食事に加えて350キロカロリーのエネルギー量が必要とされています。しっかり食事をすることが身体の回復や良い母乳をつくることにつながり、結果的に赤ちゃんの健やかな成長につながります。
◆産後に必要な栄養素は「鉄分」
産前から貧血になる人が多く、それは産後も続くことがあります。鉄分不足は疲労感や息切れ、耳鳴りにつながるため、ほうれん草や小松菜、あさり、レバーなどの鉄分を多く含んだ食事を心がけることが大切です。また、ぶどうの木の助産師は「鉄分不足により、うつになりやすくなるという研究結果もある」と指摘します。
◆「水分」補給も忘れずに!
母乳は、主に血液を材料に作られています。1日に約1リットルの母乳を赤ちゃんに与えることになるため、母乳育児の場合には積極的に水分補給をすることも重要です。
食事から水分を摂取するため、おかゆや具だくさんのみそ汁を献立に取り入れることもオススメだそう。水分と同時に、食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素も摂取できるように心がけると良いですね。
◆無理なダイエットは禁物!
厚生労働省によると、普通体重(BMI18.5以上25.0未満)の女性の場合、妊娠中の体重増加は10~13キロが目安とされています。体型が気になり、産後すぐにダイエットを始める人もいますが「無理なダイエットは禁物!」とぶどうの木の助産師は注意を促します。安易に無理なダイエットをすると体調を崩すことになり、赤ちゃんの成長にも影響を及ぼす可能性があるそう。ダイエットを考えている人は、助産師や産婦人科医などの専門家に相談してみてください。