大阪・関西万博(2023年4月13日~10月13日 184日間)に出展するサウジアラビアが11月15日、パビリオンのデザインと展示概要を発表した。
2030年に首都・リヤドでの万博開催を目指すサウジアラビアは、自前でパビリオンを建設する「タイプA」のカテゴリーに入る。
パビリオンのデザインは、サウジアラビアの伝統的な市場「スーク」をイメージした。かつての天下の台所、商人(あきんど)の街・大阪での開催が背景にある。
伝統的な”泥れんが”建築の建物と、複雑に入り組んだ路地が特徴。砂漠と近代的な建築要素の融合にも見え、過去から未来を見つめるような構成になっている。
このほか環境に配慮し、パビリオン運営の際に生じるCO2(二酸化炭素)排出量を削減する機能を取り入れ、エネルギー効率の高い照明を使用しているほか、雨水を利用し、クリーンエネルギーを生産するソーラーパネルを備える。
サウジアラビアと日本の国交は1955年に正式に樹立し、大阪・関西万博が開催される2025年に70周年を迎える。両国は2016年、石油依存体質から脱却して包括的発展を実現するための成長戦略「日 サウジ・ビジョン2030」が署名され、従来の石油の供給国と消費国という関係から、より戦略的なパートナーシップを目指すことが確認された。
日本が持つノウハウや技術でサウジアラビアを支援すれば、日本にも新たなビジネスの市場を開拓できるというメリットが生まれるという期待から、両国の経済交流も活発となった。
大阪・関西万博でのサウジアラビアのロゴマークは、日本の筆記体のようなアラビア語の字体で描かれた王国の地図の中に、日本語で「サウジ」の文字を切れ目なくデザインした点も興味深い。
担当者は「伝統的な料理や音楽、人との交流を通じてサウジアラビアを五感で感じてもらいたい」と抱負を語った。
■サウジアラビアパビリオン・イメージ動画 ※サウジアラビア大使館商務部・提供