―――子どもたちはみんな持っていた?
【竹林さん】 誰でも持っていたわけではなく、一部の子どもだけが持っている高級品でした。スーパーカーに憧れた子どもたちにとっては夢のような自転車で、持っている友だちをうらやましがっていました。
―――ブームはいつごろまで続いた?
【竹林さん】 1970年代後半に最盛期を迎え、1980年代後半からは徐々に衰退していきました。さまざまな機能がついているのでとにかく重たく、そういった点が走ることには向いていなかったのだと思います。それ以降は、よりカジュアルで大人っぽいマウンテンバイクなどが人気になっていきました。
現在、ジュニアスポーツ車の製造は完全に終了しているのですが、今でもときどき一般の方から連絡があったりします。5年ほど前には「ミニチュアを作りたい」という相談があり、ゲームセンターの景品になりました。かなり好評だったようです(笑)。
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竹林さんによると、昭和の終わりごろには実用的な自転車の需要が急速に増えたのだそう。ちなみに、今では当たり前となっている、子どもを前に乗せることのできる自転車を日本で初めて販売したのは丸石サイクルなのだとか。
時代とともに形状も大きく変化してきた自転車は、今も変わらず多くの人々の生活を支えています。子ども時代に戻る気持ちで、フラッと自転車屋さんを訪れるのもいいかもしれません。
※ラジオ関西『Clip』2023年11月23日放送回より
(取材・文=濱田象太朗)