サッカー・J1のヴィッセル神戸は25日、J1リーグ戦第33節で、名古屋グランパスとホームのノエビアスタジアム神戸で対戦し、2-1と勝利しました。これで勝点を68とし、2位横浜F・マリノス(勝点64)との勝点差を4としたため、1試合を残してヴィッセルのJ1優勝が決まりました。
チケット完売、満員のスタジアムで、今シーズンホーム最終戦に臨んだヴィッセル。前日に横浜FMが引き分けたため、勝てば自力で優勝が決まるという大事な一戦では、前半12分に幸先よく先制。FW大迫勇也選手のスルーパスを受けたMF井出遥也選手が右足でシュートを決めると、その2分後にも、大迫選手の左クロスをFW武藤嘉紀選手が右足であわせてゴールゲット。序盤にいきなり2点を奪います。
その後、名古屋FWキャスパー・ユンカー選手のゴールで1点を失い、なおも前半終了間際に向けては名古屋の反撃に防戦を強いられる場面もありましたが、何とかしのぎ、前半は1点リードで折り返します。
後半、ヴィッセルは名古屋との一進一退の攻防を展開。途中からは、負傷離脱から復帰したキャプテンのMF山口蛍選手が3試合ぶりにピッチに登場しました。追加点こそあげられなかったものの、粘り強く奮闘したクリムゾンレッドは、そのまま2-1で勝利。クラブ創設29年目での悲願のJ1リーグ初優勝を果たし、2万5365人で埋め尽くされたホームスタジアムは歓喜に包まれました。
1995年に産声を上げ、始動予定だった阪神・淡路大震災に見舞われた中、復興のシンボルとして進み続けたヴィッセル。途中、2度のJ2降格、奇跡のJ1残留などがあったなかでも、クラブ消滅の危機の際に立ち上がった地元・神戸出身の三木谷浩史氏(楽天グループ株式会社代表取締役会長兼社長最高執行役員)のもとで近年は歩み続けてきました。
2020年元日には天皇杯優勝で初タイトルを獲得。昨シーズンは一時、最下位に低迷する屈辱も味わいながら、クラブのレジェンド・吉田孝行氏が3度目の監督に就任すると、そこから右肩上がりに復調。勢いそのままに今シーズンに臨むと、大迫選手、武藤選手、山口選手、DF酒井高徳選手といった経験豊富な元日本代表勢を軸に、開幕3連勝を達成するなど、好調を持続。途中、大黒柱のアンドレス・イニエスタ選手の退団、MF齊藤未月選手の大けがなどもありながら、クラブ育成組織出身のMF佐々木大樹選手、DF山川哲史選手の台頭など、チームの総力で踏ん張り、9月からの上位決戦も制し続け、このたびJ1優勝のシャーレを手にしました。