「ますますゴチャゴチャしてきました。良い意味で」。
大阪・関西万博(2025年4月13日〜10月13日 184日間)の会場・夢洲(ゆめしま 大阪市此花区)で展開する万博の開閉会式や、期間中に会場内で実施するイベント(数千件規模)の内容を検討する有識者委員会「大阪・関西万博催事検討会議」の第3回会合が24日、大阪市内で開かれた。
検討会議は、吉本興業ホールディングス(HD)前会長・大﨑洋氏、華道家元池坊・池坊専好次期家元が共同座長を務め、デザイナー・コシノジュンコ氏、 茶道裏千家・ 千宗室家元ら計10人で構成される。記事冒頭の言葉は大﨑氏の“シャレと皮肉”が込められている。
現在、大阪・関西万博は会場建設費の500億円上乗せや海外パビリオンの建設停滞、万博会場の大屋根(リング)に関する350億円の建設費が「無駄使い」と批判されるなど、いくつかの課題が指摘されている。
大﨑氏はこの日の会議で、「各委員の示唆に富む、イメージがふくらむ意見が続出し、僕のダジャレもスベるほど。催事も、ますますゴチャゴチャしてきました。その分、着実に前進している。これらをまとめて、“なるはや(なるべく、できる限り早く)”で皆さまにお伝えしたい」と、話しぶりは一定の手ごたえを感じた様子だった。
そして、内容について細部まで分析されていないが「大阪・関西から世界中に向けた”地球のお祭り”をやろう」という方向性を確認できたとした。
同時に、「万博のテーマ『いのち輝く未来社会のデザイン』に沿った催事や社会課題解決への取り組みを、万博閉幕後も持続可能な事業として実現することをサポートしたい」との思いを明かした。
大阪・関西万博では、パビリオンなどのほか、催事として、開会式などの「公式行事」、博覧会協会が主導する「主催者催事」、企業・団体・自治体などの「参加催事」で構成される。
9月から一般参加型催事の応募(第1次・2023年12月31日まで)も始まり、オーバーブッキング気味の数が集まっているという。テーマやパフォーマンス内容が共通するものも多く、急ピッチで整理し、類型化を進める。
池坊氏によると、参加行事では国内の自治体、省庁、企業から多くのエントリーがあり、11ある催事会場はほぼ埋まるほどの数が寄せられているという。興味深いものでは、SDGsの理念やテクノロジーを掛け合わせて社会課題の解決を図る提案、食や歴史、豊かな自然で地元をアピールする企画、日本が誇るポップカルチャーを披露したいとの相談も受けていることを明かした。そのうえで「ワクワクドキドキする内容を、次から次へ発表できると思う」と話した。
大﨑氏は「特に若い世代の『向社会性(相手の気持ちを理解、共有し、相手に利益をもたらす考えや行動)』、誰かのために役に立ちたいという気持ちを企画にしたものが多い。万博は世界デビューの場。ナショナルデー(公式参加国から来賓を招き国際交流を深める)のみならず、一般催事に参加する方々にも大きなチャンスがある」と話した。年度内には一般参加催事の審査などを経て、2024年度以降も、開幕まで取りまとめや構成作業が続く。