世界的ファッションデザイナー、コシノジュンコさんの過去最大規模となる展覧会「コシノジュンコ 原点から現点」があべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区)で開かれている。2024年1月21日(日)まで。
コシノさんが手掛けた衣装やデザイン画、写真パネルや映像演出など、多岐にわたるジャンルの作品約200点を紹介。前半部では、画家を志していた高校時代に描いたデッサンや油彩画、新人デザイナーの登竜門「装苑賞」を最年少受賞した際の作品(1960年)、70年大阪万博のガイドが着用したユニフォームなど、コシノさんの創造の「原点」を見ることができる。
目玉の一つは、華やかな衣装をまとい、会場に並ぶ多数のマネキン。実際のショーの映像とあいまって、まるでステージを見ているかのような臨場感を生み出している。約100着におよぶ斬新な衣装群は圧巻だ。
1980年代以降、「対極」のコンセプトで制作したものも。ドレス「POROPORO」は、円を幾重にも重ねた形状が特徴的な、迫力溢れる作品。合成ゴム素材を使うことによって継ぎ目をなくした「Spike Dress」には、コシノさんの世界観「天衣無縫の美しさと神秘」が込められている。
近年、デザインのフィールドをスポーツや舞台関係にも広げているコシノさん。その代表例として紹介されているのは、「和太鼓エンターテインメント集団DRUM TAO」の舞台衣装だ。奏者の鍛え上げられた身体にフィットしつつも激しい動きを妨げないデザインは、世界的に活躍する同集団のハイレベルなパフォーマンスを後押ししている。会場では約30着の衣装とともに映像演出も楽しめる。
コシノさんは大阪府岸和田出身。報道関係者向けの内覧会で、コシノさんは「高校時代、(あべのハルカス美術館近くの)天王寺の美術館に通っていた」と明かし、「デザインがなければ方向性がないし、面白くないし、時代性もない。(今回の展示を)年齢を問わずいろいろな人に見てもらいたい。そこで一つでも感じるものがあれば、将来の日本の元気につながるのではないか」と話した。
◆「コシノジュンコ 原点から現点」
会場:あべのハルカス美術館(〒545-6016 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階)
会期:2023年11月23日(木・祝)~2024年1月21日(日)
開館時間:火~金/10:00~20:00、月土日祝/10:00~18:00。いずれの日も入館は閉館の30分前まで。
観覧料(税込):一般1,700円、高大生1,300円、小中生500円