スペインで6シーズンの間プレー→INAC神戸で活躍中のMFが語るコミュニケーションの重要性 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

スペインで6シーズンの間プレー→INAC神戸で活躍中のMFが語るコミュニケーションの重要性

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 女子サッカー・WEリーグのINAC神戸レオネッサでプレーするMF山本摩也選手(30)がラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)にゲスト出演。6シーズンを過ごしたスペインでの経験や、2年目となるINAC神戸でのプレーなどについて語りました。

ラジオの生放送に出演したINAC神戸MF山本摩也選手(写真:ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』黒川良彦)

 東京都世田谷区出身の山本選手は、女子サッカーの名門校である東京の十文字高校やスフィーダ世田谷FC、早稲田大学を経て、2016年からスペインにわたり、バレンシアやサラゴサ、エスパニョールなどでプレー。昨年、日本に戻り、INAC神戸へ加わった、精度の高いキック、パスセンス、ゲームメイク力の高さが持ち味のMFです。

 大学からすぐに渡欧した理由について、もともと海外志向だった山本選手は、バルセロナの地で仕事をしていた大学の先輩の紹介から、話が一気に進んだそう。「インカレ(大学選手権)が終わった2日後ぐらいにスペインに行って(現地クラブの)練習参加みたいな感じになった」。

 6シーズンのスペイン生活は、「けっこうあっという間だった」と語る山本選手。20代のほとんどを過ごした異国でのプレーは、「自分の中ではめちゃくちゃよかった。日本と何もかも違ったのですごく新鮮。本当に視野が広がったので、すごくよかった」と、自身の肌にもあっていたそう。

ラジオの生放送に出演したINAC神戸MF山本摩也選手(写真:ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』黒川良彦)

 スペイン語は「あっちに行ったらなんとかなるでしょと思っていた」と、現地にわたってから習得したそうですが、番組内では自己紹介をスペイン語でスムーズに行う様子も披露。「スペイン人がしゃべっているのを、身振り手振りも含めて真似していた」という山本選手は、「サッカー選手はよく、サッカーで通じ合えるとか言うが、でも、やっぱり最後は言葉、コミュニケーションがすごく大事。しゃべるのとしゃべれないのとでは話せる内容も違うし、相手の信頼度も違う」と、現地の言葉をしゃべる大事さを痛感。「海外に行きたい選手がもしいるのであれば、言葉は絶対やっといた方がいい」と、アドバイスも送っていました。

 一方、サッカー面では、「日本人は練習後に自主練習などをするが、スペインではパッとやってパッと帰る。オフもしっかり休む」「スペインだとアップからガっと上げて、いきなりロングキックを蹴ったり、すぐポゼッションの練習に入ったりする。日本は徐々に温めて、段階を経てやる」と、練習への取り組みの違いを語ります。

 ピッチ内でのコミュニケーションにも日本との違いを感じたそうで、「(練習中は)日本だとパスミス1つに対しても、『今こうだったから……』ということや、何がやりたかったのかなど、けっこう細かいところまでしゃべる。スペイン人は練習だとそこまでしゃべらないが、試合中はずっとしゃべっている」と山本選手。「スペイン人は世界一しゃべる人種だと思っている」と表現しつつ、「コミュニケーションの量やポジティブな声のかけ方など、スペインのコミュニケーションの取り方のほうが自らのタイプ的にも合っている」と述べていました。

(写真:ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』黒川良彦)

 昨年、日本に帰ってきて、今年、INAC生活2シーズン目に。WEリーグ初年度となった2022-23シーズンはリーグ戦で6試合の出場にとどまりましたが、スペイン人のジョルディ・フェロン監督が指揮をとる今シーズンは、開幕から3試合連続出場。11月26日の第2節マイナビ仙台レディース戦ではWEリーグ初得点もマークしました。

「(リーグ)カップ戦は結果も出ず、今1つ、チームとして見せれるものが少なかった」ところから一転、リーグ戦で開幕3連勝、すべて無失点というチーム状況については「いろんな選手が得点しているのもあり、流れはすごくいい」と雰囲気の良さも明かします。自身が仙台L戦で決めたワントラップからの右足での得点については、「完璧でしたね。あの時はもうゴールしか見てなかった」と、本人にとっても会心のゴール。「やっとです!」と、結果を出せたことに安どしていました。

仙台L戦でWEリーグ初得点を決めたINAC神戸MF山本摩也選手(写真提供:WEリーグ)

 今シーズンのチームは開幕前から現在に至るまで、なでしこジャパン(日本女子代表)の活動の影響で、キャプテンのFW田中美南選手らが不在となる日々もあり、当初は新任のジョルディ監督のサッカーが浸透するのか、チーム作りを不安視される声もありました。「(代表組が)いるのといないのとでは、強みもまた違ってくるし、強度など練習の質も変わってくる」と山本選手も本音を吐露します。

 それでも、今ではチーム内で若手を含めていいポジション争いができているようで、「ジョルディも練習から『俺にもっとアピールしてこい』とか、そういう声かけはすごくする。試合も交代枠を全部使ったり、いろんな選手をいろんな場所で試そうとか、練習でいいプレーしたら試合出すよっていうのを常日頃言っている人。そういうのも選手にとってはモチベーションになるというか、いい方向に向かうのかなと思う」と、指揮官を中心としたチーム作りは月日を重ねるごとに進化中。

 そのなかで、スペインサッカーを熟知し、言葉も堪能な山本選手は、指揮官との仲介役、コミュニケーション面の潤滑油としても、チームへの貢献度は高いものがあります。今後、INACのキーマン候補でもある背番号7の活躍にも注目せずにはいられません。

 山本選手の活躍も楽しみなINAC神戸。次の試合は12月9日(土)、WEリーグ第5節でAC長野パルセイロ・レディースと、アウェイの長野Uスタジアムで対戦します。キックオフ予定は午後2時です。

※ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』2023年12月4日放送回より

INAC神戸MF山本摩也選手(右)と、ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』パーソナリティーの川上直子氏(左)、宮川陽香(奥)(写真:ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』黒川良彦)
INAC神戸MF山本摩也選手(中央)と、ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』パーソナリティーの川上直子氏(右)、宮川陽香(左)(写真:ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』黒川良彦)
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カンピオーネ!レオネッサ!! | ラジオ関西 | 2023/12/04/月 18:30-19:00

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