創業120周年を迎えた神戸の老舗弁当メーカー・株式会社淡路屋(本社・神戸市東灘区)は12月8日、台湾鉄路管理局(台鉄)と日台の駅弁交流の強化を目的とした友好協定を締結した。
同社はこれを記念して「台鉄友好協定締結記念ひっぱりだこ飯」を日台両国で発売した。台湾では、1895年から50年間、日本による統治で鉄道網が全土で整備され、駅弁の文化も日本から持ち込まれた歴史がある。
台北駅では同日、「ひっぱりだこ飯」を期間限定で売り出し、初日は発売前から行列ができる人気ぶりだったという。
■友好協定締結への流れ
この協定締結は、2019年秋、台鉄主催の「第五回鐵路便當節」に淡路屋が参加したのがきっかけ。同社のロングセラー商品「ひっぱりだこ飯」の反響が大きく、コラボレーションへの機運が高まっていた。
しかし翌2020年、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で企画は凍結。新型コロナが落ち着きを見せた2023年6月、「第八回鐵路便當節」に参加し、両者が経営やブランドマーケティングなど様々な分野で情報交換・協力関係を築き、日台両国の”駅弁文化”の醸成を目的に実現した。
台鉄は日本に関連する協定として、これまで鉄道会社を中心に約30件締結しているが、駅弁を製造・販売する企業と締結するのは初めて。
■記念商品
友好協定締結を記念して、日台で特別仕様の「ひっぱりだこ飯(台湾での表記・海味便當)」を販売している。いずれも、台鉄のロゴマークをあしらった濃紺色の陶器を用いる。
台湾では、子だこの旨煮や帆立などを入れた日本らしさを楽しめる蛸壺弁当。
日本では、通常のひっぱりだこ飯に、台湾風の魯肉(ルーロー・煮込んだ豚肉)を加えた。菜の花はごま油で和え、台湾を感じられる仕様のひっぱりだこ飯に仕上げた。掛け紙は共通デザインで、このイラストと台鉄のマスコットの熊を描いた特別仕様となっている。
台湾では、12月8~4日、台北駅構内「台鐵便當二號店」で期間限定販売。
日本では、12月8日~、淡路屋各店(※)とオンラインストア (https://all.awajiya.co.jp)で、1 個 1380円(税込)。
※淡路屋各店 神戸駅、西明石駅、鶴橋駅、芦屋駅、垂水駅展のJR駅構内各店、新神戸駅(新幹線・2階コンコース)、西神中央店、神戸大丸店、三宮センター街店、神戸阪急店、芦屋大丸店、西宮阪急店、宝塚阪急店、川西阪急店、千里阪急店、高槻阪急店、阪神梅田店、大阪高島屋店、京阪守口店