イタリア政府は19日、大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)の会場となる人工島・夢洲でパビリオンの起工式を行った。
■海外パビリオン「タイプA」では初、夢洲での起工式
大阪・関西万博への海外からの参加は160か国・地域、9国際機関 。このうち独自でパビリオンを出展する“タイプA”というカテゴリー(約60か国が対象)では初めて。
このうち、施工事業者を決定しているのは12月18日時点で32か国にとどまっている。
大阪・関西万博をめぐっては、海外パビリオンの建設の遅れが懸念されている。
さらに資材コストが高騰する中、イタリアは建設機材レンタル大手・西尾レントオール(本社・大阪市中央区)に建設を発注。同社はイタリアを含む複数の国から建設を請け負っており、木材を組み合わせて使う「木造モジュール工法」によって建設を進める。
パビリオンの建設に必要な許可はすでに大阪市から得ており、本格的な着工は2024年に入ってからの見込み。
また、木材はほかの資材に比べて軽量なため、大規模な基礎工事が必要なく、工期短縮が可能になるという。万博開幕の約3か月前にあたる2025年1月の完成を目指す。
この日の「鍬入れ(くわいれ)」には、マリオ・ヴァッターニ イタリア政府代表のほか、吉村洋文・大阪府知事や日本国際博覧会協会・石毛博行事務総長らも加わり、建築家マリオ・クチネッラ氏が設計したパビリオンの敷地に鍬を打ち込んだ。
ヴァッター二氏は「イタリア人の建築家と日本の建設会社が力を合わせ、万博の成功と両国の将来を発展させる重要な一歩となる日だ」と力を込めた。
吉村知事は「古代ローマの円形闘技場遺跡”コロッセオ”をモチーフにした芸術的なデザイン、まさにイタリアそのもの。存分にその魅力を発信されることを期待したい。イタリアの価値観や技術などを深く知り、共有できるパビリオンに」と期待を寄せた。
イタリアパビリオンのテーマは「アートは命を再生する」。イタリア・ルネッサンスの象徴「理想都市」の現代版を表現する。イタリアパビリオンとしては初めてとなるローマ教皇庁ともタイアップする。
オペラの上演や、生命科学やロボットといった最新技術をアプローチする展示を予定している。屋上にはイタリア式の庭園、カフェも設けられる。
■イタリアパビリオン・プロモーション動画 ※画像提供 2025年大阪・関西万博イタリア政府代表事務局
在大阪イタリア総領事館・オフィシャルサイト