バレーボール女子・Vリーグ2部(V2女子)のヴィクトリーナ姫路は、12月の「令和5年度天皇杯・皇后杯 全日本バレーボール選手権大会」ファイナルラウンドでベスト8の成績を残しました。その戦いぶりについて、元日本代表セッターの竹下佳江氏(ヴィクトリーナ姫路エグゼクティブアドバイザー)がラジオ番組で感想を述べました。
5年ぶりにV2女子のチームとしてカップ戦に臨んだ、ヴィクトリーナ。ファイナルラウンド1回戦では東海大学と対戦し、宮部藍梨選手と宮部愛芽世選手の姉妹対決に注目が集まったなか、ヴィクトリーナが3-0と勝利。プロチームとしての意地を見せました。
続く2回戦では、今年5月の黒鷲旗杯で準優勝したV1女子の埼玉上尾メディックスとの一戦に臨み、こちらも3-0のストレート勝利。V2女子で全勝中の勢いをカテゴリーが上の相手にも発揮していました。
準々決勝では、今シーズンもここまでV1女子で首位を走る常勝軍団・JTマーヴェラスと顔を合わせました。結果は1-3と敗れはしましたが、4セット中3セットが26点以上で勝負が決まるという接戦に。トップカテゴリー上位にも互角の戦いを展開するなど、アヴィタル・セリンジャー監督率いるチームの実力の高さを証明した試合でもありました。
目標の優勝には届きませんでしたが、善戦が光ったヴィクトリーナについて、竹下氏は今大会を通して感じたことがたくさんあったといい、次のように感想を述べました。
――全試合をご覧になって、印象に残った試合はありますか?
【竹下氏】 やっぱり東海(東海大学)戦と上尾(埼玉上尾メディックス)戦ですね。東海はインカレで準優勝してるチームですし、ヴィクトリーナ所属の宮部藍梨選手と東海の宮部愛芽世選手はきょうだいですので、きょうだい対決という意味でも注目度は高かったです。どちらの試合も、今のチームの強さをしっかり見せてくれたなと思いますね。
――JTマーヴェラス戦はいかがでしたか?
【竹下氏】 下剋上を狙うといいますか……(ヴィクトリーナの)気合の入り方がやっぱり違いますよね。ただ、JTにはチームとしての本当の強さを感じさせられました。後半になればなるほど、勝ち方を知っているチームとしての強さを見せつけられたなと。ヴィクトリーナ姫路はまだまだ若いチーム。移籍で加わった選手がいたり、監督も交代して間もない。ただ、そんな新しい集団があれだけチームとして食らいついていたところに(今シーズンの)強さを垣間見ました。これからの期待感は大きいです。それはそれとして、悔しい敗戦でもありますよね。
――前年度との違いは感じられましたか?
【竹下氏】 決定打ですね。今まではボールをつなぐのはつなぐのですが、得点にならなかった。けれども、今のチームにはそのポイントを取るための決定打が付いてきました。今まで、田中咲希選手だけに負担があったと思いますが、井上愛里沙選手、小林エンジェリーナ優姫選手らがサイドで点を取れる。そうなると、咲希に余裕も出るし、戦略も増えているのが明らかですね。やり方を間違えなければ必ず勝てるチームに育ってきていると思います。
――改めて天皇杯・皇后杯を通してヴィクトリーナに感じたものは?
【竹下氏】 期待感あふれるチームになりつつあるのは間違いないので…。あとは、‟姫路強くなってるね”、“もっと強くなるよね”となれば、本当に皆さんが、もっともっと応援したくなるようなチームになると思うんです。その期待感をもっとあおってほしいですね !
※ラジオ関西『竹下佳江のいいな117ヴィクトリーナ』2023年12月18日放送より。