越境ECサービスを提供するZenGroup株式会社(大阪市中央区)が、国内のECサイトが海外の顧客向けに商品を販売しやすくなるサービス「ZenLink(ゼンリンク)」の提供を始めている。海外の消費者が日本のECサイト上で商品を見つけ、購入しやすくなり、日本の事業者はより簡単に海外対応が可能となるもので、初期費用や月額費用は無料。
国境を越えた取引である「越境EC」では、多言語対応や決済、配送などに課題があるとされる。同サービスは19の言語に対応し、クレジットカードやPayPal(ペイパル)、銀行振込など、約100種類による決済や海外への配送、顧客からの問い合わせなどは同社が担う。利用する小売事業者はクレジットカードの不正利用や関税などへの対応が不要で、販売金額の1割を同社に支払う。
日本のEC販売額は現在約5パーセントにとどまっており、中国の同21パーセント、アメリカの15パーセントなどとは大きな差がある一方、世界における越境EC市場の規模は、2021年時点の7850億USドル(115兆円)から、2030年までには7兆9380億USドルに大きく伸長すると予想されている。
そうしたなか、ZenGroupのスロヴェイ・ヴィヤチェスラヴCEO(最高経営責任者)によると、同社は日本の越境ECの販売額を20%まで伸長させる目標を立て、今後1年間で「ZenLink」の導入について1000社を目指しているという。アニメや漫画など日本文化に関連する商品の需要は大きそうだ。