陸上に目を移せば、昨年12月に行われた全国高校駅伝で、男女とも兵庫県代表として出場した須磨学園高校の選手たちが師走の都大路を好成績で駆け抜けました。男子は同校過去最高順位となる4位に入賞。女子も6位で25回連続の入賞となり、駅伝王国復活を印象付けました。
なかでも、各校の主軸が集う“花の1区”では、須磨学園の折田壮太選手(3年)が、同大会日本人選手最高タイの28分48秒で区間賞を獲得。今春、大学に進学する期待の星が、どのような進化を遂げながら将来の日本を背負っていくアスリートに成長するかも楽しみです。
その都大路をかつて力走し、今年のパリオリンピックでの活躍が期待される兵庫県出身の選手が、いまや女子中長距離界のエースとなった田中希実選手(小野市出身、西脇工業高校卒)です。日本記録も複数保持するトップランナーは、東京五輪に次ぐ入賞、さらに悲願のメダル獲得を狙います。
オリンピックといえば、神戸が生んだ柔道界のスター選手、阿部一二三選手(神港学園高校卒)と妹の詩選手(夙川学院高校卒)のきょうだいが、パリの舞台に立ち、2大会連続金メダルを目指します。
水泳飛び込み男子では東京オリンピックで決勝進出を果たした宝塚市出身の玉井陸斗選手(須磨学園高校)にパリでのメダル獲得への期待がかかります。
今年はオリンピックとともにパラリンピックイヤーでもありますが、兵庫県では、トップパラアスリートが集う国際大会、世界パラ陸上競技大会が行われます。もともとは2021年に予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で2度の延期を強いられたなか、ようやく今年5月に開催が実現。東アジア初となる同大会は、5月17日から28日まで、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で熱戦が繰り広げられます。
去年もたくさんのアスリートの活躍がありましたが、今年も兵庫県がスポーツで盛り上がることを願うべく、兵庫を拠点に活動するプロスポーツ、アマチュアスポーツを追いかけていきたいものです。
(取材・文=市岡千枝)