冬は豪華な星空に オリオン座と惑星の競演 2024年1月の星空散歩 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

冬は豪華な星空に オリオン座と惑星の競演 2024年1月の星空散歩

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 冬は星が一番きれいに見える季節と言われます。大陸から吹く季節風が空気を乾燥させ、空気中のチリを飛ばすことで、空の透明度が高くなるからです。さらに冬の大三角や冬のダイヤモンドと呼ばれる星たちが輝き、年間を通じて「豪華」な星空となります。

画像提供:明石市立天文科学館
画像提供:明石市立天文科学館

 その中で、存在感を示しているのが「オリオン座」です。三ツ星が整然と並んでいることで見つけやすく、三ツ星を囲む長方形は、リボンとも鼓のようだと表現されることもあります。

 オリオンはギリシャ神話の海神・ポセイドンの息子であり、巨人、力の強い狩人。右手には斧、左手には毛皮を持っています(右手にはこん棒、左手には盾と言う説も)。肩の辺りで赤く輝くのが1等星のベテルギウス。近い将来爆発すると言われている赤色超巨星ですが、専門家によると「爆発するのは100万年以内」ということです。そのベテルギウスから三ツ星を挟んで対称の位置、オリオンの足の辺りには青白い星があります。もう一つの1等星リゲルです。地球からリゲルまでの距離は770光年と、全天に21ある1等星の中で2番目に遠い星です。2つの星の色が違うのは温度が違うから。表面温度はベテルギウスの2500度に対し、リゲルは12000度。この2つの色の違いを見比べるのも面白いかもしれません。

オリオン座
オリオン座

 そしてオリオンの腰の辺りにはベルトのように星が3つ並びます。そのベルトの下には南北に小さく並ぶ小三ツ星があり、オリオンが持つ剣とされています。この近くにはM42星雲(オリオンの大星雲)があり、肉眼では「なにやらぼんやりとした天体」、双眼鏡を使えば「星雲」、望遠鏡ならばその倍率によって様々な姿を見せてくれます。

「M42星雲」 提供:兵庫県立大学 西はりま天文台
「M42星雲」 提供:兵庫県立大学 西はりま天文台

 また2024年1月は惑星の競演が楽しめます。

 日の出前の空には水星と金星が見えます。水星は、太陽系の最も内側を回る惑星で、地球からの見た目の位置が太陽からあまり離れることがないので、見つけにくいとされます。その水星は、12日に、地球から見て太陽から最も西に離れる西方最大離角となります。その前後には明るさも0.2~マイナス0.2等となって、日の出前の南東の低い空で見つけやすくなります。水星より少し高い位置には、さらに明るいマイナス4.0~マイナス3.9等の金星があります。金星を目印に水星を探すのもありかも。

 一方、宵の南西の低い空には、土星が見えます。14日には土星のすぐ下に細い月も見えます。土星は1月末から2月にかけて、見ための位置が太陽に近づき、2月末に合(=太陽と同じ方向に位置する)となります。この後、土星は夜明け前の東の空に位置するようになるので、宵の空の土星が見られるのはあと少しとなります。

 宵の南の高い空で輝いているのは木星。周りにはおひつじ座やうお座など秋の星座があり、明るい星が少ないのでよく目立ちます。14日に土星の近くにいた月は、18日には木星の西に、19日にはやや太くなった月が木星の東側に移動します。その移動の様子も美しい光景となることでしょう。

 この時期は寒いですが、それ以上に楽しませてくれそうです。

(参考:国立天文台HP、早水勉「星空大全」 協力:明石市立天文科学館 井上毅館長)

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