商売繁盛の神「ゑべっさん」として親しまれている今宮戎神社(大阪市浪速区)の「十日戎」に合わせ、福娘や芸妓らを乗せた「宝恵駕籠行列」が10日午前、4年ぶりに道頓堀から戎橋を練り歩いた。
宝恵駕籠行列は元禄時代、かつての大阪・ミナミの花街「南地(なんち)」の芸妓が、商人の街・船場の旦那衆の代わりに今宮戎神社に参拝したことから始まった新春の恒例行事。
かつて南地は、2千人もの芸妓を擁する日本最大の花街だった。江戸時代の戎橋は、十日戎に行き交う参拝者で賑わったという。
この日午前10時前、道頓堀川沿いの遊歩道「とんぼりリバーウォーク」で出発式を行ったが、今年はゲストらの船乗り込みはなく、簡素化した。
この日午前10時前、道頓堀川沿いの遊歩道「とんぼりリバーウォーク」で出発式を行った後、行列は宗右衛門町にあったお茶屋「南地大和屋(現・ホリデイ・イン大阪難波)」前を出発。
紅白の布で飾られた宝恵駕籠には芸妓や今宮戎神社の福娘、落語家・桂文枝さん、松竹新喜劇俳優・藤山扇治郎さん、OSK日本歌劇団男役トップスター・楊琳(ヤン・リン)さんらが乗り込み、総勢約470人の大行列となった。
そして、今宮戎神社への参道だった戎橋へ向かい、道中の至るところで立ち止まり「大阪締め」で出立を祝った。