大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)に出展するシンガポールのパビリオンが10日、会場の人工島・夢洲(ゆめしま 大阪市此花区)で着工した。
シンガポールは、参加国が自前でパビリオンを建設する「タイプA」に属し、このタイプでは初の着工となる。2024年11月の完成を目指す。
シンガポールパビリオンの敷地は約900平方メートル。会場中心部のシンボルとなる大規模木造建造物「大屋根リング」のすぐ内側の脇に位置する。この日は工事関係者10人が夢洲入りし、敷地内で杭の位置などを設計図で確認しながら測量した。
シンガポール政府観光局・特別プロジェクト担当エグゼクティブディレクター 、キャリー・クイック氏は「建設の開始をお知らせできることをうれしく思う、引き続き日本国際博覧会協会と緊密に連携したい」とコメントした。完成イメージ図や展示内容の詳細については、後日発表するという。
大阪・関西万博をめぐっては、参加国が独自でパビリオンを建設する「タイプA」には60か国が希望していたが、建築資材や人件費の急激な高騰などが影響し、準備の遅れが指摘されている。
運営する日本国際博覧会協会は、こうした事情を踏まえ、 組み立て式のプレハブ形式の建物を協会側が建設して参加国に引き渡し、参加国が内装や外装のデザインを決める「タイプX」、または「タイプC」を提案しており、すでに「タイプA」のアンゴラ、ブラジルの2か国が「タイプX」へ移行した。また、スロベニアなど2か国は日本側が建設する共同パビリオン「タイプC」に移行した。
こうしたことから、「タイプA」の希望は現状55か国に。このうちパビリオンの施工業者が決まった国は35か国(1月9日現在)。各国のパビリオンの建設は遅れており、20か国はまだ施工業者が決まっていない。
着工に必要な行政手続きを終えたのはシンガポールとアイルランドの2か国のみとなっている(2024年1月10日現在)。