―――トイレ以外では、どのように使われていた?
【太田さん】 鼻をかむなど、現在のティッシュと同じように使われていました。
年配の方のなかには、いまでも「チリ紙じゃないとダメだ」と愛用してくださっている方も多くいらっしゃいます。
―――広く使われていたのはいつごろまで?
【太田さん】 戦後から1970年くらいの間が最も使われていた時期で、オイルショック(1973年)の数年前にチリ紙とトイレットペーパーの生産比率が逆転したといわれています。
生産比率が逆転したのは、水洗トイレが登場し普及してきた時期でした。「水洗トイレにはロール型のトイレットペーパー」という意識があったからです。さらに、ティッシュペーパーなどの普及もあり、チリ紙は徐々に使われなくなっていきました。
―――現在はどんな場所で使われている?
【太田さん】 施設などではトイレットペーパーの持ち去りリスクがあるのですが、チリ紙なら軽減できるということから常備している場所もあります。トイレットペーパーに比べて携帯に便利なので、ペットのフン処理などでも需要があります。
ほかに、刑務所や留置所では、トイレットペーパーは用途以外の使われ方がされる可能性があるため、ほとんどの場所でチリ紙が使われています。
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いまでも、チリ紙はホームセンターやドラッグストアなどにひっそりと置かれているそう。昭和の日本で多く使われたチリ紙ですが、新たな使い方を考えてみるのも良いかもしれませんね。
※ラジオ関西『Clip』2024年1月18日放送回より
(取材・文=濱田象太朗)