最新デザイントレンド『シノワズリ』 海外セレブも注目で流行拡大 インテリアのプロが魅力を解説 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

最新デザイントレンド『シノワズリ』 海外セレブも注目で流行拡大 インテリアのプロが魅力を解説

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 世の中にはさまざまなデザインが存在しますが、なかでも最近話題の「シノワズリ」をご存知でしょうか? フランス語で「中国趣味」を意味し、現在、インテリアショップや雑貨店を中心にシノワズリをあしらったさまざまな商品が販売されています。

 100円均一ショップのなかには、昨年秋シーズンに食器から文具までのシリーズを展開した店もあり、売り場がシノワズリで埋め尽くされた雰囲気さえ醸していました。

 一般にも広がりを見せているシノワズリは、その名前は知らなくてもデザインを見れば「これのことか!」と思う人も多いのではないでしょうか。デザインの特徴や歴史、暮らしへの取り入れ方などについて、神戸のインテリアデザインショップ「リサブレア」代表の石川さんに話を聞きました。

シノワズリの壁紙と陶器(提供:株式会社リサブレア)

 石川さんによると、シノワズリの歴史は13世紀にまでさかのぼります。マルコ・ポーロが『東方見聞録』として、中国をはじめとするアジア諸国の話をヨーロッパへと持ち帰り、その話を聞いたヨーロッパ人はまだ見ぬ中国への憧れと想像をふくらませたといいます。

 のちにヨーロッパへと渡った中国の陶器の絵柄や花鳥図などの絵画と、ヨーロッパの人々が想像する美しくファンタスティックな中国のイメージが融合し、17世紀に「シノワズリ」というカテゴリが成立しました。

 その後18世紀には、フランスのロココ調が持つエレガントな要素との融合が進み、ヨーロッパ貴族の間で爆発的な流行となったといいます。

 当時のヨーロッパでは、宗教画など左右対称を基調とする絵画がほとんどで、中国の絵画にみられる曲線的な表現は見慣れないものでした。また当時は“自然”を描くことが少なかったそうで、豊かで美しい自然の情景が描かれた中国のデザインはすぐさま取り入れられ、フランス風・イギリス風へと絵柄を変えて発展していきました。

花や鳥など自然の風景が取り入れられたシノワズリ(提供:株式会社リサブレア)

 流行が落ち着いたあとも、ヨーロッパでは自然の要素をインテリアに取り入れることが定着。生活に根づいた結果、シノワズリは伝統的な様式として脈々と続いてきました。

 そのシノワズリが、最近になって日本でも流行している理由について、石川さんは「海外セレブたちが注目して発信したことや、デジタルプリントによってデザインが普及したことが原因ではないか」と分析します。

 石川さんいわく、「シノワズリは意外とどのような雰囲気のお部屋にもマッチするので、インテリアとして手軽に取り入れやすいデザイン」とのこと。花柄のカーテンに抵抗がある人でも、シノワズリの花柄は受け入れられるというケースもあったといいます。

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