1月29日からコンビニ大手のファミリーマートの一部店舗でプラスチック製のスプーンやストローなどの有料化が始まりました。プラスチックごみの削減が主な狙いですが、同様の理由で有料化を開始し既に3年以上経過しているのが「レジ袋」です。環境のためとはいえ当初は不便だなと感じていたレジ袋有料化ですが、それにも慣れ、レジ袋を忘れた際に料金を支払うことへの抵抗が無くなった人も多いのでは? そんなレジ袋、そもそも誕生したきっかけは何だったのでしょうか。“生みの親”とされているのが、広島県大竹市にある『中川製袋化工株式会社』です。詳しく話を聞きいてみました。
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同社は1929年に紙袋メーカーとして広島県大竹市で創業。包装用品の専門メーカーとして現在も全国に製品を送り出しています。紙袋メーカーであった同社がレジ袋を発明したきっかけについて問うと「ナシ狩り」との返答が。どういうことなのかさらに聞き進めると、「多摩川周辺のナシ園から依頼があって作ったのがはじまりです。当時ナシ園では、果実を入れるのに竹かごを使用していました。しかし竹かごだと足にこすれた時に履いていたストッキングが伝線してしまう.....といったトラブルが多発し、クレームが続出したそうです。そこで当社ではポリエチレンの袋に注目し、梨を入れる専用の袋を開発しました」とのこと。
1960年代はイギリスのモデル・ツイッギーがミニスカートで来日したことから、日本でもミニスカートブームが到来した時代でした。ミニスカートと合わせるアイテムとして、ストッキングはマストとなっていた背景があったようです。
「ストッキングを傷つけにくいポリエチレン製の袋はナシ園から好評で、さらに改善に繋がる声も上がってきました。そこから研究開発を重ね、持ち手がある現在の形になったのはその7年後のことでした」(中川製袋化工)
その後、レジ袋はスーパーでも導入され、全国的に広がることになったそうです。
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意外なきっかけから生まれたレジ袋に続き、有料化となったプラスチックスプーン。ファミリーマートによると一部店舗のみの施策だけでもプラスチック使用量は年間約4トン削減される見込みであり、さらに全国の店舗に取り組みが拡大された場合には年間約715トン削減される見込みとのことです。