大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)にパビリオンを出展するアメリカが1月31日、そのデザインやコンセプトを公表した。
テーマは、”Imagine What We Can Create Together”(共に創出できることを想像しよう)。来場者が人類の英知を前進させる未来を思い描けるような空間を創る。
パビリオンは、つつましさや趣(おもむき)という日本特有の美意識「わび・さび」から着想を得た木製のファサードと、三角形の平面をもつ2棟の建物で構成されている。
それぞれの棟の間にはライトアップされた吊り下げ式のキューブが配置され、この下をくぐりぬけると、開放感に包まれた美しい中庭が広がり、多様なパフォーマンスが行われるステージが設置されている。
そして、向かい合う2棟の内側にはそれぞれ大型LEDスクリーンがあり、そこにアメリカを象徴するイメージやムービーが映し出され、「峡谷」のような空間をつくる。
アメリカパビリオンは、このようにして来場者をアメリカ探検へといざない、 ハリウッド映画の技術を使った宇宙旅行も疑似体験できる。内装には、アメリカ航空宇宙局(NASA)も関わるという。
このほか、アメリカの音楽や郷土料理を楽しむ空間もある。
設計は、ニューオーリンズを拠点に活動するトレイハン・アーキテクツ(Trahan Architects)。
建設にかかる費用は2500万ドル(日本円で約37億円)で、2024年春にも着工する。
1970年大阪万博のアメリカパビリオンでは、アポロ12号がその前年、1969(昭和44)年に世界初の月面着陸を成功させ、持ち帰った、重さ約900グラムの「月の石」が展示された。待ち時間が4時間以上という長蛇の列ができ、のべ約1400万人が見学するほどの人気だった。
この日、その再来はあるのか、との問いには「展示やプログラムについての詳細は、今後発表する」と述べるにとどまったが、何らかの形で宇宙に関する展示を企画するという。
■大阪・関西万博 アメリカパビリオン・イメージ映像<※動画提供・Trahan Architects>