会場整備が進んでいる大阪・関西万博について、能登半島地震被災地の復旧・復興工事の妨げになるとして、一部から延期や中止を求める声が出ている。
十倉雅和・日本国際博覧会協会会長(経団連会長・住友化学会長)は6日、東京都内で開かれた緊急理事会後の会見で、「今の時点で復旧復興に支障をきたす事態は認識していない」と述べ、来年(2025年)4月13日開幕に向けて、予定通り準備を進めるとした。政府も能登半島地震を受け、大阪・関西万博の延期や中止は否定している。
十倉会長はその根拠として、「被災地で進む重点的なインフラ復旧作業は、土木が中心となっている。万博会場の整備については、大半の土木事業が終わり、これから建設に入っていく段階」であることを挙げた。
そのうえで、「能登半島地震で被害に遭った方々の復旧・復興に向けて、あらゆる資源を最優先でつぎ込むことは、皆さんも同じ意識だ。被災地の復旧や復興で必要な人手や資材が不足しないように、事前に双方の工事の情報を集める。ただ、万博も(国として)大事な事業であり、支障をきたさないよう、国と博覧会協会とで情報共有し、状況の把握、管理に努める」と述べた。
十倉会長は1月9日に開かれた経団連での定例会見で、「どうして(万博開催と震災復興が)二項対立のように考えるのかわからない」と述べ、予定通りに開催すべきだとの考えを示している。